第三試合
21歳、蒼野楓と35歳、河村ひかるの対戦。
すっかり表舞台からご無沙汰となったひかるとしては1つでも勝ってアピールしたいところ。
一方の楓はまだまだ無名ながら21歳と若くここでアピールしたい。
又、ひかるはジムに通ってボクシングをしているが、楓は空手の黒帯で、男子K-1ファイターとの殺陣をこなす程の能力を持っている。
『赤コーナー 河村ひかる~』
ひかるは赤のパンツに小振りなバストをゆらして笑顔で登場してきた。
『青コーナー 蒼野楓~』
ゴールデンルーキー・楓がフレッシュな白のパンツで登場してきた。21歳でのトップレスに歓声が上がるが、楓は緊張気味にリングに入ってきた。
『カーン』
ボクシングのひかると空手の楓は綺麗にファイティングポーズをとって、キレのある動きを見せている。
ひかるはアピールしたい思いが強いのか積極的にパンチを打ってくる。
バシ、バシ、
小刻みながらテンポの良いパンチで楓を攻めていく。
トップレスでのファイトを恥ずかしがっている初々しい楓は受け身になってしまっている。
ひかる:いつまでも恥ずかしがってるんじゃないわよ、そんなんじゃ生き残れないわよ。
ひかるは挑発しながら速い動きで楓にパンチを打っていく。
しかし、楓も少しずつ地下リングでのファイトに慣れてきたのか徐々に打撃を打ち返す様になってきた。
すると空手・黒帯の実力を持つ楓の打撃に手こずるひかる。
バシィ、
楓が長い脚を活かしたミドルキックを放つとキックに慣れていないひかるの脇腹にヒットした。
楓は効いていると見てもう1発ミドルキックを打ってきた。
バシィ、
ひかる:あうぅ、
一瞬踞りかけるひかる。
楓側セコンド:一気に顔を狙えー、KOだ!
楓側のセコンドも力が入る。顔面狙いの指示が出るが、楓は女優相手に顔面は悪いからとあくまでもミドルキックでボディーを狙っていく。
バシィ、バシィ、
ひかるは近付いて反撃したいが、楓の長い脚が壁になって近付けない。
しかもひかるは後輩女優に気を遣われてのファイトに逆にプライドを傷付けられている。
ひかる:舐めんじゃないわよ!
苛立つひかるは強引に距離を詰めると楓の顔面にパンチを打っていく。
ひかるのパンチは楓の顔面に届いたが、効果的なダメージは与えられない。
ボシュ、
ひかる:おえぇ~~、
カウンターの楓の膝が入るとマウスピースを涎を垂らしながら落とすひかるは堪えきれずに膝から崩れ落ちた。
ダウンを喫したひかるはお腹を抑えて倒れ込んでいる。
カウントは7まで進んだがひかるは泣きそうな表情になりながらも立ち上がった。
『ファイト』
ひかるはパンチで流れを変えようとするが、楓はキックで紫色に変色したひかるのボディーを狙っていく。
バシィ、
楓のミドルキックがひかるのボディーを襲うとひかるの動きが止まる。
楓は距離を詰めると膝蹴りてひかるのボディーを串刺しにしていった。
ボシュュ~、
ひかる:ううぅぅ、
ひかるは黄色い胃液を吐き出して場内に響き渡るようなうめき声を上げてダウンした。
『カーンカーンカーン』
勝った楓は落ち着いた表情で試合終了のゴングを聞いた。
『勝者:蒼野楓』
コールされた楓は遠慮がちに手を上げたが、振る舞いとは裏腹に豪快なファイトに拍手が送られている。
一方、一発も殴られて無いにもかかわらず、顔をグシャグシャにさせたひかるはお腹を抑えながら地獄の苦しみを味わっている。