第二試合
第二試合は実力者対決。
元トップアスリートの青樹愛と米蔵涼子の対戦。
愛は最近は趣味でキックボクシングを習っており、女優相手に勝って当然という雰囲気をだしているが、涼子はそれが気に入らない様で闘志を燃やしている。
『赤コーナー 168cm 米蔵涼子~』
涼子が黒のパンツを履いて堂々と登場してきた。トップレスだからといって恥じらう様子は一切無く、鋭い眼光で反対側のコーナーを見つめている。
『青コーナー 173cm 青樹愛~』
涼子が睨みつけるその反対側のコーナーから青のパンツを履いた愛が観客に手を振りながらリングに出てきた。
余裕がある様で、涼子を見下している。
すると涼子がマイクを要求した。
涼子:アスリートだからって簡単に勝てると思ってるみたいだけど、地下リングはそんなに甘く無いわよ。体で教えてあげるわ。
愛もマイクをとった。
愛:涼子さんこそアスリートの身体能力を侮っているみたいですけど、気を付けた方が良いですよ。鍛え方が違うんですから。
涼子の脅しにも余裕の愛。
『カーン』
ゴングが鳴ると涼子が早速前に出てきた。
愛の顔面にパンチを浴びせる涼子。
バシ、バシ、
愛は涼子の勢いに面食らうが、涼子のパンチを叩き落とす様にガードするとお返しとばかりにミドルキックを涼子のボディーに打っていった。
バシィ、
愛の鍛えられた脚から放たれるキックの威力に驚く涼子。
しかし、涼子は喧嘩では負けないとパンチを返していく。
バシ、バシィ、
涼子の積極的なファイトに歓声が上がるが、愛は冷静にキック中心に試合を組み立てていくと愛が長い脚を振り回すので、涼子は次第に近付けなくなってくる。
愛は伸び上がる様なミドルキックで、徐々に涼子をコーナーに追い詰めていく。
ガードを固め始める涼子。すると愛は涼子の手数が無くなってきたところで、顔付近にパンチを強打した。
バシィィ、
ガードの上からでも抜群の破壊力を誇る愛のパンチを受ける涼子。
愛:よく耐えたわね、女優さん。
愛は涼子のガードを試す様に強力なパンチを打ち込んでいく。
バシィ、バシィ、
愛の強打に涼子のガードが解けてくると1発パンチが涼子の顔面にヒットした。
バキィ、
重たい一撃に目を虚ろにさせる涼子だが、試合に集中しようと必死にガードしている。
愛は逃げ場も無くカウンターも無い涼子をサンドバックの様に殴り付けていくと、涼子はボコボコにされいく・・・。
バタン、
涼子はマウスピースを飛ばして崩れ落ちた。
手応えはあったとガッツポーズする愛。
体中を殴られて蹴られて満身創痍の涼子。
涼子:うぐ~、ハアハア、
KO負けは何とか免れようと必死に起き上がろうとする涼子たが、愛に痛めつけられた体は言うことを聞かない。
カウントは6まで進んだ。
愛は反対側のコーナーに肘を掛けて涼子を見下している。
腹を立てた涼子は気合で立ってファイティングポーズをとった。
涼子のガッツに沸く観客。
『ファイト』
試合が再開されると愛は再び距離を一気に詰めてきた。
恐怖する涼子だが、又してもコーナーに押し込められていく。
バシィ、ボコ、バシィ、
長身の愛が上から涼子に打撃の雨を降らせていく。
意識が遠のく涼子。
涼子側セコンド:涼子、耐えて~、
エプロンサイドを叩いて必死の声援を送る涼子陣営。
『カーン』
涼子にとっては地獄の1ラウンドが終了した。
ゴングと同時にバタリとうつ伏せに倒れ込む涼子。
涼子はセコンドに抱き抱えられるようにしてようやくコーナーに戻った。
涼子:ハアハアハア、強すぎるわ、このままじゃ、顔壊されちゃう。
弱音を吐く涼子だが、試合はすぐに再開される。
『カーン』
2ラウンドが始まるとKO勝利を目指して愛が突っ込んできた。
涼子は距離を詰められてしまったら1ラウンドの二の舞になってしまうからとローキックとジャブで必死に距離を取ろうとする。
愛はは俊敏さにこそ欠けるものの豪快に脚を振り回すと涼子との距離を詰めにかかる。
涼子:いやぁ~~、来ないで~、
必死の抵抗も虚しく涼子は1ラウンドと同様にコーナーに追い詰められてしまった。
愛の打撃にボコボコにされていく涼子。
バキィ、バシィ、バシィィ、
愛の強力な打撃を何発も喰らってボコボコにされていく涼子。
涼子は意地で立っているが、立っているだけになってサンドバックにされていく。
観客A:やべ~、涼子がサンドバックになってんぞ。
グチャ、
愛のパンチが涼子の顔面にのめり込むようにヒットすると、骨が折れたかの様な鈍い音がして顔面が崩壊させられていく。
バキィ、バキィ、
次々にヒットする愛の強打に涼子は為す術もなく崩れ落ちた。
『カーンカーンカーン』
圧巻のKO劇に一瞬静まり返る場内。
『勝者:青樹愛』
愛がコールされてガッツポーズをすると観客も愛のファイトを讃えて歓声を送っている。
愛はコーナーを背に座り込む涼子の顔面を足の裏で踏みつけた。
愛:試合前に言ってた事、今でも言えるかしら?
何も言い返す事が出来ない涼子。
2試合でアスリート勢が強さを見せ付けた。
特に女優で屈指の実力を誇る涼子が惨敗した事で衝撃が走っている。
無様な敗北を喫した涼子は崩壊させられた顔をタオルで隠しながらせめてもの意地を見せようと立ち上がってリングを去った。