古河優奈のクイーンベルトの初防衛戦が行われる。
対戦相手は松下奈央とサイズ的には全く互角の戦いとなり、優奈としては体格の優位性が無いだけにどのように戦うのか。
『赤コーナー 175cm 古河優奈~』
優奈は黄色いビキニで姿を現すと腰にはベルトを巻いている。
38歳の奈央に対して、22歳と若いので、ギャルのヤングパワーで圧倒しようと思っている。
『青コーナー 174cm 松下奈央~』
奈央は黒のビキニで登場してきた。
若さの優奈に対して、奈央は大人の女性の魅力を見せたいところだ。
リング以外では決して交わらない両者が睨み合うとゴングが鳴った。
『カーン』
ゴングが鳴ると優奈はいきなり張り手を打ち込んできた。
パァン、
乾いた音が鳴り響くと優奈は笑みを浮かべている。
しかし、奈央もすぐに張り手を優奈の顔に打ち返してきた。
パァン、
静かに優奈を睨みつける奈央。
優奈が組み付いていくと奈央が受け止めて取っ組み合いになっていく。
優奈の方が激しく揺さぶりをかけているが、奈央は優奈の脚を大外刈りで払うと倒していった。
したたかさを見せる奈央。
優奈は起き上がろうとするが、奈央が押さえつけるとスリーパーをかけていく。
奈央がスリーパーでスタミナを削っていくと優奈は苦しそうな表情を浮かべている。
奈央:あなたみたいな小娘はベルトに相応しくないわ。
奈央はそう言うと力を込めていく。
優奈は派手なネイルをした手で奈央の腕にすがりつくも中々外せず苦しんでいたが、左脚がロープにかかって難を逃れている。
『ロープ』
奈央がスリーパーを外すと優奈も呼吸を荒くさせながらも立ち上がった。
『ファイト』
試合が再開されると奈央が距離を詰めてきてミドルキックを打ってきた。
しかし、優奈が奈央の右脚を捕まえると奈央は少し焦った様子を見せている。
優奈はそのまま奈央を強引に押し倒していった。
優奈は奈央の上に馬乗りになると力の限り奈央の顔に張り手を叩き込んでいく。
バシッ、バシッ、
奈央は顔を叩かれて頬を紅潮させている。
優奈:オラオラオラ、お前みたいなオバサンはもう終わってんのよ!
優奈は小娘呼ばわりされた事に腹を立てており、攻撃に勢いが出てきた。
更にヒートアップした優奈は腕を喉に押しつけてギロチンチョークをかけていく。
奈央:んああぁ、
悶絶する奈央。レフリーはこれは反則だと優奈を引き離していく。
ビキニを直しながら立ち上がる奈央は汗をかいて息を切らしている。
『ファイト』
試合が再開されると興奮気味な優奈が奈央に掴みかかっていくと奈央も食らいつくが、優奈が膝蹴りを打ち込んできた。
ボシュ、
奈央:おええぇぇ~~、
ボディを膝蹴りで抉られた奈央は呻き声を上げている。
踞る奈央。優奈は無理矢理ブレーンバスターの体勢に入るとリフトアップした。
バターン、
優奈がブレーンバスターで投げていくと叩きつけられた奈央はぐったりと倒れている。
フォールに入る優奈。
『ワン、ツー、』
カウント2で返す奈央。
優奈:チッ、まだ力を残してるのかよ。
優奈は悪態をつきながらも奈央の髪の毛を掴んで起き上がらせようとするが、奈央は拳を優奈の股間にぶつけてきた。
優奈:あぁん、
ギャルで勝ち気な優奈もこればっかりはどうにもならず、情けない声を漏らすと股間を抑えている。
奈央:ハア、ハア、随分好き勝手やってくれたわね。
優奈:うるさい、ババア。卑怯よ。
奈央:年上の女性に対する言葉遣いがなってないわ。
奈央はそう言うと優奈の背後に回り込んでスリーパーをかけていった。
再び奈央が体力を削りにかかると優奈は体に汗を滲ませている。
優奈は奈央の側頭部にエルボーを打ち込んで逃れるが、膝に手を着いている。
休んでいる優奈に奈央はロープに走って助走をつけるとラリアットで優奈の胸元を叩いていった。
バシッ、
大の字に倒れる優奈。
奈央は勝負を決めようとコーナーに登ると観客にアピールしている。
しかし、その時間が長かったのか優奈が起き上がってくるとコーナーに登っている奈央を捕まえにきた。
奈央は必死に蹴り落とそうとするが、優奈は強引に投げていった。
バターーン、
コーナーの上段からリングに叩き落とされて大ダメージを受ける奈央。
優奈:ハア、ハア、よくもやってくれたわね。存分にいたぶってやるわ。
激痛に泣きそうな表情になる奈央に優奈はそう言うと起き上がるかけていた奈央を蹴り倒した。
奈央がぐったりと仰向けに倒れると優奈は頭にサッカーボールキックを浴びせていった。
バキィ、
鈍い音が鳴り響くと奈央は目を虚ろにさせている。
優奈は奈央の右腕を取ると腕ひしぎを極めていった。
若さを全面に出した荒々しいファイトスタイルが売りの優奈だが、練習してきたという腕ひしぎがガッチリと極まると奈央は激痛に耐えきれず、タップしてしまった。
『カーンカーンカーン』
優奈はゴングが鳴ってからも中々技を解こうとしない。
それどころか奈央が苦悶の表情を浮かべながら懸命にタップする姿を面白がっている。
レフリーや黒服がリングにに入って優奈を引き離すと奈央はようやく解放された。
『勝者:古河優奈』
優奈は勝者のコールを受けると防衛したベルトを掲げながら奈央を踏みつけている。
優奈:口だけかよ、大した事ないババアだな。
優奈は最後に足に力を込めるとそう吐き捨てて花道で観客の声援に手を振りながら控室へと引き揚げていった。
一方、敗れた奈央は悔しさから涙を流して拳でリングを叩くと起き上がって痛めた右腕を抑えながらも自らの脚で歩いてリングを去った。