Kー1ベルト その33(多丸麻紀VS能勢あんな)
- 2024/01/13
- 09:06
2024年の開幕カードは香理奈が殿堂入りをしたKー1ベルト女王の決定戦となった。
スレンダー美女の多丸麻紀と先日ベルトを殿堂入りさせた香理奈の姉の能勢あんなの対戦となる。
『赤コーナー 172cm 多丸麻紀~』
麻紀は赤のグローブに赤のパンツで登場してきた。
久しぶりの地下リングとなるが、表の舞台では格上だと自信を持っている。
『青コーナー 166cm 能勢あんな~』
あんなは青のグローブに青のパンツで出てきた。
あんなとしては妹の香理奈が殿堂入りさせたタイトルだけに是が非でも欲しいと考えており、アルティメットバトルベルトとの二冠を狙っている。
『カーン』
両者がファイティングポーズをとると試合開始を告げるゴングが鳴らされた。
ジャブを打ちながら相手の出方を探るあんなと麻紀。
キックボクシングを習得しているあんなは時折ローキックを繰り出して揺さぶりをかけていく。
力感はそれ程無いもののスムーズに放たれるあんなのローキックはしなやかさがあり、麻紀は嫌がっている。
徐々にあんながローキックで主導権を掴み始めると麻紀は状況を打開しようとあんなの顔面にパンチを打っていった。
バキッ、
麻紀のパンチがあんなの顔面にヒットするとあんなは仰け反ってふらついている。
麻紀は形勢逆転すると今度はミドルキックをあんなのボディに浴びせていった。
バシィ、
あんな:うぐぅぅ、
麻紀のミドルキックを喰らったあんなは動きが止まっている。
麻紀は一気に行こうと再びあんなの顔にパンチを打っていくが、あんなはガードが間に合って辛うじて防いでいる。
それでも麻紀はパンチを打って押し込んでいくとあんなも体勢を立て直してパンチを打ち返してきた。
バシィ、バシィ、
互いにガードを固めながらもパンチの応酬になっていく。
麻紀の方が余裕があるようでパンチが伸びるとあんなを押し込んでいる。
一方のあんなはダメージの蓄積から苦しく、頬を紅潮させながら後退を余儀無くされている。
パンチを打ち合うも次第に威力、手数共に麻紀が優位に立っている。
あんなはコーナーに追い込まれて苦しくなるとガードを固めながらカウンターの機会を伺うスタイルを強いられている。
『カーン』
猛攻をかける麻紀だが、ここで1ラウンド終了のゴングが鳴った。
麻紀のパンチの雨を浴び続けたあんなは何とか凌ぎきった。
疲労した様子で自陣コーナーの椅子にバタリと座り込むあんなに対して、麻紀は余裕があり、セコンドと言葉を交わしている。
『カーン』
2ラウンドが始まると麻紀は積極的に前に出ていくとあんなもインターバルでパワーを溜めてたようで応戦してきた。
バシィ、バシッ、
顔を殴り合う麻紀とあんな。
麻紀は顔へのパンチが効いているからと狙っていくが、あんなはミドルキックに切り替えた。
バシィ、
麻紀:あうぅぅ、
あんなのミドルキックがボディに突き刺さると麻紀は呻き声を上げている。
あんなは動きが止まった麻紀の顔にパンチを打っていった。
バキッ、
鈍い音が鳴ると顔を殴られた麻紀はふらついている。
あんなはハイキックで麻紀の頭を狙っていくが、麻紀は何とかガードして防ぐもあんなのハイキックの威力に押し込まれている。
麻紀はカウンターのミドルキックを打っていくが、あんなに避けられるとガードが空いたところにパンチを打たれてしまった。
バシィ、
立て続けに顔を殴られて苦しい表情を浮かべる麻紀。2ラウンドでは一転してグロッキーな状態に追い込まれている。
あんなは完全に息を吹き返したようで麻紀の顔面にパンチの雨を降らせてラッシュをかけていく。
麻紀はコーナーを背にして逃げ場が無くなっている。
あんなはステップバックすると勢いをつけて膝蹴りをボディに打ち込んでいった。
ボシュュ~~、
麻紀:あぁんん~~~、
あんなの膝蹴りが麻紀のボディを抉ると麻紀は悲痛な叫び声を残すと目を見開いて膝から崩れ落ちた。
あんなは勝利を確信してガッツポーズを決めている。
麻紀はこんなはずでは無かったと悔しそうな表情になりながらも藻操いているが、立ち上がる事が出来ない。
『カーンカーンカーン』
10カウントが数えられるとゴングが鳴らされた。
『勝者:能勢あんな。よって第14代Kー1ベルト女王は能勢あんな!』
あんながベルトを戴冠した事を伝える場内アナウンスが流れると観客は歓声を上げている。
いつもは主催者の仕事だが、この日はサプライズで香理奈がベルトを運んであんなの腰に巻くと再び大きな歓声が沸き起こっている。
歓喜のあんなに対して、麻紀は四つん這いからふらつきながらも立ち上がるとその光景を目に焼き付けてからセコンドの肩を借りてリングを後にした。
一方のあんなは香理奈に祝福されると笑顔を見せている。
香理奈:私のベルトをあんなが獲ってくれて嬉しいわ。
あんな:香理奈が祝ってくれるのが嬉しいわ、ありがとう。
2人は観客の声援に手を振って応えながら花道を通って控室に戻るとそのまま祝杯を上げに夜の街へ消えていった。