第2試合は3番の吉岡美保と4番の青樹愛のカードとなった。
クイーンカップ準優勝の経験を持ち、グラドルのレジェンドの美保と元トップアスリートの愛の対決は今大会屈指の好カードと評されている。
『赤コーナー 169cm 85-59-87 吉岡美保~』
美保は黒のビキニで登場してきた。
44歳の美保は肉体的な衰えが心配されるが、それを吹き飛ばすような妖艶なオーラを纏っている。
『青コーナー 173cm 85-60-83 青樹愛~』
愛は白のビキニで出てきた。
こちらも現役時代程のパワーは無いものの依然として筋肉質なボディを保っている。
互いに初戦となるこの試合が重要である事を認識しているだけにリング内の緊張感が場内に伝わっている。
『カーン』
ゴングが鳴ると両者は睨み合ったまま動かない。
緊迫した雰囲気に場内の雑音さえも消え、静寂な時間が流れている。
ようやく両者がゆっくりとリング中央に近寄っていくと愛は力比べを誘っている。
元トップアスリートでサイズも勝る愛としては負けるはずがないと見下して美保を挑発している。
美保は敢えて挑発に乗って挑んでいくとリング中央で力比べとなった。
静かな時間から一気にパワーとパワーがぶつかると場内もヒートアップしてきた。
相手を押し合う愛と美保。拮抗した力比べになると予想に反して美保が少し押している。
愛は美保のパワーに驚いているが、ギアを上げてマックスにすると逆転して愛が美保を押し込み始めた。
『ロープ』
愛が圧倒的なパワーを見せつけると美保の背中をロープに押し込んだ。
愛:ハア、ハア、あんたが私に勝てるわけ無いわ。
美保:ハア、ハア、まだまだ勝負はこれからよ。
最大出力で押し合った両者は早くも息を荒くさせている。
『ファイト』
クリーンに離した愛だが、試合が再開されるとビックブーツで美保の顔を蹴っていった。
打点の高い蹴りが顔を捉えると美保は顔を抑えて踞っている。
愛は美保の髪の毛を掴んでリング中央に運ぶとブレーンバスターの体勢に入った。
美保は踏ん張ろうとするが、愛のパワーの前に高々とリフトアップされてしまうと豪快に叩きつけられてしまった。
バターン、
美保の体がリングにバウンドする程の威力で、ぐったりと倒れている。
愛はフォールに入った。
『ワン、ツー、スリ、』
カウント2で美保は返すが、余裕はあまり無さそうだ。
愛:もう決まったかと思ったわ。こんなに早く決まったら面白く無いからもう少し楽しませなさいよ。
対照的に余裕を見せる愛が美保の髪の毛を掴んで起き上がらせようとすると美保が下から愛の股間に拳を打ち込んでいった。
ガァン、
愛:ああぁぁ~ん、
悶絶して踞る愛。
すると美保は背後からスリーパーをかけていった。
美保:ハア、ハア、好き勝手言ってくれたわね。このまま絞め落とすわよ。
形勢逆転とばかりに美保がスリーパーで絞めていくと愛は美保の腕にすがりつきながらも険しい表情になっていく。
しかし、愛も右脚を後ろに振り上げて美保の股間を突き上げていった。
バシィ、
美保:んあぁ、
股間を突き上げられて苦悶の表情を浮かべる美保。
愛もスリーパーで絞められたダメージからすぐには動けず、膝に手を付いている。
両者は同じタイミングで体を起こすと睨み合っている。
愛は攻撃のタイミングを測るとハイキックを打っていくが、美保は避けるとタックルで愛を倒していった。
美保は愛からサイドポジションを奪うとわき腹に膝蹴りを打ち込んでいった。
ドス、ボシュ、
愛:うげぇぇぇ~~、
筋肉質なボディを持つ愛だが、筋肉の鎧が纏われてないわき腹を蹴られて悶絶している。
美保は効いていると見て更に愛のわき腹に膝蹴りを打ち込んでいく。
ボシュ、
愛:ううっ、
愛は苦悶の表情になり、いつの間にか大粒の汗を浮かべているが、下から美保の体を両脚で巻きつけると退けた。
愛は何とか美保の攻撃から逃れて素早く立ち上がると取り返そうと美保にタックルで倒しにかかった。
しかし、美保は読んでいて愛を掴まえると上から押し潰して組み伏せた。
今度はうつ伏せで押さえつけられる愛。
美保は引き続き愛のわき腹に拳を打ち込んでいく。
ボシュ、ドス、
立て続けにわき腹を抉られて体を震わせる愛。
美保は愛のわき腹を攻めてスタミナを削っている。
しかし、愛は下から美保の太ももを掴むと無理矢理持ち上げて投げ捨てた。
愛が驚異的なパワーを見せると美保も観客も驚いている。
わき腹のダメージで呼吸を荒くさせる愛を美保が掴まえてブレーンバスターで投げようとするが、愛も美保を掴みかかってきてブレーンバスターで投げ返そうとしている。
力と力の真っ向勝負になる美保と愛。
美保は元トップアスリートの愛に果敢にパワー勝負を挑んだが、やはりパワーで愛には敵わず、リフトアップされてしまった。
バターン、
この試合2回目のブレーンバスターで美保はリングに叩きつけられた。
愛はコーナーによじ登ると観客にアピールしてからフライングボディプレスを放った。
バターン、
サイズのある愛のフライングボディプレスが決まると美保は険しい表情をしている。
愛はそのままフォールに入った。
『ワン、ツー、スリ、』
愛は勝利を確信していたが、美保はフォールを返して勝利への執念を見せている。
観客席からも美保の粘りに驚きの声が上がっている。
愛は気を取り直すとパワーボムの体勢に入った。
この技を喰らったら終わってしまうと懸命に耐える美保だが、愛が腕力で美保を担ぎ上げた。
リフトアップされた美保は顔に恐怖した表情が映っているが、愛は無慈悲にも勢いよくリングに叩きつけていった。
バターーン、
体から力が抜けてぐったりとする美保。
愛はそのままフォールに入った。
『ワン、ツー、スリー!!カーンカーンカーン』
悠々とカウント3が入って勝負は決した。
パワーを見せつけた愛はゆっくりと立ち上がると観客の歓声に応えている。
『勝者:青樹愛』
勝者のコールを受けた愛は美保の顔を踏みつけてアピールしている。
一方、敗れた美保は愛のブレーンバスターを2度、パワーボムを1度と強力な投げ技を3度受けて力尽きたのか全く動けない。
酸素の吸入を受けていたが、しばらくすると担架で医務室へと運ばれた。
勝利した愛は続けて次の試合を行うかを決める事となる。
愛:優勝するには3つ勝たないといけないんでしょ。もちろんやるわ。
愛が連戦を申告すると第3試合は青樹愛VS今居みどりに決まった。