エキシビジョンマッチ(蒼野楓VS田仲雅美)
- 2023/11/18
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男タッグとのクイーンタッグベルトの防衛戦のダメージを受けて休んでいた蒼野楓だが、ようやく帰ってくる事となった。
これからは再びパートナーでもある香理奈から地下リングのエースの座を奪う戦いが始まる。
そのパートナーの香理奈は既に復帰していて、シャーロットブレアーとの大一番に勝利しているだけに楓としては負けられないという思いが強い。
楓の復帰戦の相手は元アスリートの田仲雅美で、楓としてはかつて敗れており、リベンジしたいところだ。
『赤コーナー 165cm 田仲雅美~』
雅美は黒のパンツに赤のグローブで出てきた。
現役時代程の筋肉量は無いものの依然として素晴らしい肉体美を誇っている。
『青コーナー 169cm 蒼野楓~』
楓は青のパンツに青のグローブで登場してきた。
30歳の楓は肉体的に全盛期であり、相手が誰であっても負けられないと意気込んでいる。
『カーン』
両者がグローブを合わせると試合が始まった。
ファイティングポーズをとりながら間合いを測る雅美と楓。
序盤は互いにジャブやローキックを打ちながら出方を伺うが、共に相手の攻撃力を警戒して強く踏み込めない。
膠着状態が続くが、先に仕掛けたのは楓でハイキックを雅美の顔に打っていった。
しかし、準備していた雅美は避けるとカウンターのミドルキックをボディに打ち込んでいった。
バシィ、
ボディを蹴られて表情を歪める楓だが、「蹴り合いなら負けない」とミドルキックで応戦してきた。
バシィ、
楓の強烈なミドルキックを受けた雅美は一瞬動きが止まっている。
楓はチャンスと見てパンチを雅美の顔面に打っていった。
バキッ、
雅美:あうぅ、
楓の空手仕込みのパンチは威力があり、雅美は思わず声をあげている。
楓は更にパンチを連打していくが、雅美もガードを固めて守るとパンチを楓の顔に打ち返していった。
バキィ、
楓:ううぅぅ、
今度は元アスリートの雅美の剛腕が火を吹くと楓は呻き声をあげている。
一進一退の攻防に盛り上がる観客。
雅美は後退する楓を追いかけてパンチを打っていくが、楓もガードして防いでいる。
『カーン』
ここで1ラウンド終了のゴングが鳴った。
雅美としてはもっと攻めれたと不満そうにしているのに対して、楓は冷静に自陣に戻った。
インターバルではドリンクで水分補給しながら2ラウンドに備えている。
『カーン』
雅美と楓がリング中央に帰ってくるとゴングが鳴った。
両者はファイティングポーズをとりながら少しずつ間合いを詰めている。
雅美が先に楓のボディにパンチを打っていくと楓も雅美のボディにミドルキックを打ち返していく。
強い打撃で相手のボディを攻める両者だが、共に鍛えた肉体を持っており、簡単には崩れない。
雅美は楓の顔にパンチを打っていくと楓はガードして防いでいるが、ガードの上からでも威力があるパンチに押し込まれている。
コーナーに追い込まれた楓だが、追ってくる雅美のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュ、
雅美:ううぅぅ、
楓の強烈な膝蹴りが雅美のボディを抉ると雅美は呻き声をあげている。
雅美の強靭な腹筋を突き破った楓は更に雅美のボディにパンチを打ち込んでいく。
ドス、ボシュ、
楓の下から突き上げるパンチが雅美のボディにヒットすると雅美は内臓を直接殴られているような感覚に陥っている。
雅美の動きが徐々に止まってきた。
楓は雅美の両肩を抱え込むと膝蹴りを叩き込んでいった。
ボシュュ~、
雅美:ぐええぇぇ~~、
楓の膝がボディに食い込むと雅美はマウスピースを吐き出して悶絶すると膝から崩れ落ちた。
会心の一撃にガッツポーズを決める楓。
雅美は苦しそうな表情を見せているが、元アスリートの意地で立ち上がってきた。
もう勝負は決まったと思っていた楓と観客は驚いている。
楓:ボディはもう壊れてるんじゃない?やめた方がいいわよ。
雅美:ハア、ハア、黙りなさい。私のボディが壊される訳が無いわ。
雅美がそう言ってファイティングポーズをとると試合が再開された。
『ファイト』
楓は前に出て積極的にボディを狙っていくが、雅美もガードを固めながら楓の顔にパンチを打ち返していく。
ボディにパンチを受けて表情を険しくさせる雅美だが、楓も弱らせたはずの雅美から思いの外、威力のあるパンチが返ってきて慌ててガードして守っている。
『カーン』
ここで2ラウンド終了のゴングが鳴った。
ダウンを奪った楓は手応えを掴んで、最終ラウンドに備えている。
一方の雅美もダウンは奪われたものの2ラウンドを凌いで、気持ちを切り替えている。
『カーン』
両者がリング中央に戻ってくると最終ラウンドが始まった。
雅美は2ラウンドのダメージを感じさせず、攻勢に出ると楓の顔にパンチを浴びせていく。
逆転を狙う雅美は重戦車の如く力強く前に出ると筋肉隆々の腕から重たいパンチを繰り出していく。
バキッ、
ガードして守る楓だが、威力のある雅美のパンチがガードを突き破ると顔にパンチを食らっている。
楓は口唇を切っているが、前を向くとカウンターのミドルキックを雅美のボディに打ち返していった。
バシィ、
楓のミドルキックを喰らって一瞬動きが止まる雅美。
強がっていた雅美だが、2ラウンドで楓に突き破られたボディのダメージは大きいようだ。
楓も見透かしていて、更に雅美のボディにパンチを打っていった。
ボシュ、
雅美:あうぅぅ、
雅美は激痛がボディを襲うと思わず声を漏らしている。
後退していつの間にかコーナーを背にする雅美。
楓は雅美をコーナーに追い込んで逃げ場を無くすとボディにパンチを連打してラッシュをかけていく。
ボシュ、バシィ、ドス、
ガードして守る雅美だが、楓の集中打を浴びて防ぎきれず、楓のパンチが当たる度に表情を歪めている。
グロッキーな状態に陥る雅美だが、トップアスリートが地下リングで腹筋を壊される訳にはいかないと必死に耐えている。
楓は不敵な笑みを浮かべると雅美の両肩を掴んで膝蹴りをボディに打ち込んでいった。
ボシュュ、
コーナーに挟まれて雅美のボディが楓の膝蹴りで串刺しにされていて2ラウンドの時より威力が増している。
目を見開いて悶絶する雅美。必死に耐えているが、口をパクパクさせていて余裕は全く無い。
しかも楓は余韻を楽しむかのように雅美のボディをコーナーにグリグリと押し込んでいる。
楓は勝負を決めようともう一発膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュュ、
雅美:んんん~~~、
楓の膝蹴りが雅美のボディを貫くと雅美はマウスピースを吐き出して悲痛な悲鳴をあげながら崩れ落ちた。
雅美は呼吸をするのもままならず、息を荒くさせていて立ち上がる気配は無い。
『カーンカーンカーン』
10カウントが数えられるとレフリーはゴングを要請した。
『勝者:蒼野楓』
復帰戦で強烈なインパクトを残した楓はガッツポーズをして観客にアピールしている。
敗れた雅美があまりの激痛に涙目になりながら担架に乗せられて退場するのを見送った楓はその強さを観客に見せつける結果となった。
楓の地下リングナンバーワンへの挑戦が再び幕を開けた。