Kー1ベルト その30 (香理奈VSシャーロットブレアー:アメリカンナイト①)
- 2023/08/09
- 23:22
《香理奈VSシャーロットブレアー アメリカンナイト 1本目》
アメリカンナイトと銘打たれたグローブ無しのK-1ルールで行われるラウンドインターバル無しで時間無制限の特別3本勝負。普段の会場とは異なり正方形の1室が会場になっており、ロープは無く、観客との境目も無い。リングはテープで仕切られているもののリングアウトすれば観客がいつでも触れる作りになっている。
会場の関係上、人数は20人程しか入れないが、その分高額な料金を支払っており、主催者サイドからすれば“質が高い客”ばかりである。又、香理奈としては顔馴染みのお世話になっている客が多く、下手な試合は見せられないと意気込んでいる。
会場の両サイドには扉があり、控室になっており、香理奈とシャーロットは既にそれぞれ準備している。
3本勝負ではあるが、ブルーの意向でより万全な状態で試合を行うべく、試合毎のインターバルは長く確保されている。
『赤コーナー 178cm シャーロットブレアー~』
『青コーナー 165cm 香理奈~』
シャーロットも香理奈も青のパンツを履いてトップレスで登場してきた。グローブは装着しておらず、ネイルはやはり同じくブルーを採用している。
香理奈は1本目ではブルードリンクを採用していないが、この日に向けて体を極限まで鍛えており、自信を覗かせている。
香理奈のボディに観客も恍惚の眼差しを向けており、早くも高い料金を支払った観客を満足させている。
シャーロット:フッフッフッ、ようやくジャパンのナンバーワンと戦えるから私も興奮するわ。
シャーロットはそう言うと体をパンプアップさせると筋肉隆々のボディが更に巨大化している。
"女王様"モードとなったシャーロットに香理奈と観客は驚いている。
香理奈:化け物だわ、、
シャーロット:"女王様"モードは女相手だと危ないから男との試合にしか使わなかったけど、香理奈、あなたは特別よ。
只でさえ大柄なシャーロットが更にサイズアップした姿と対峙した香理奈は決意を込めて拳を握り締めた。
『カーン』
ゴングが鳴ると香理奈は意を決して、積極的に前に出るとローキックをシャーロットの太ももに打っていった。
バシッ、
気合いの入ったキックで渇いた音が鳴り響くが、シャーロットはビクともしない。
香理奈は続けてボディにパンチを打ち込むがシャーロットは腹筋を入れて難なく防いでいる。
序盤から猛攻を仕掛ける香理奈だが、"女王様"モードのシャーロットにはまるで効いておらず、焦っている。
香理奈:ハアアアァァァァ!!
香理奈は"雌叫び"を上げるとフルパワーでハイキックを打ち込んでいった。
しかし、シャーロットはガードして守っている。
シャーロット:いくら何でもこれは危ないわ。物凄い攻撃ね。
シャーロットはそうは言いながらも余裕を見せると香理奈のボディにミドルキックを打っていった。
バキィィ、
香理奈:あううぅぅ、
シャーロットの重く強烈なミドルキックに香理奈は激しく体をくの字に捩らせている。
香理奈:(何よこれ、強すぎるわ。女の体じゃ耐えきれない。)
たった一発のキックで大ダメージを受ける香理奈。
主導権を握ったシャーロットは続けて香理奈の顔面にパンチを打っていった。
危険を感じた香理奈はガードしようとするが、あまりの速さに間に合わない。
香理奈:(速い、、)
バキィィ、
シャーロットの拳が顔面にめり込むようにヒットすると香理奈は鼻血を吹き出してグロッキーな状態になると倒れそうになっている。
シャーロットはダウンしそうになる香理奈の首を左手で捕まえるとそのまま宙吊りにした。
のど輪の状態となり両脚をジタバタとさせる香理奈だが、どうにもならない。
シャーロット:これがジャパンのナンバーワンの香理奈。拍子抜けだわ。
シャーロットはそう言うと香理奈のボディにパンチを打ち込んでいった。
ボシュ~、
香理奈:うげえぇぇぇ~~、
ガード出来ずに腹筋を入れる事も出来ない体勢でボディを殴られる残酷な攻撃に香理奈は悶絶している。
香理奈を贔屓にする観客からはあまりの力の差を目の当たりにして悲鳴が上がっている。
観客A:このままだと香理奈が死んでしまう
観客B:お願いだからもう止めてくれー
シャーロットは香理奈サイドの悲鳴を心地よく聞いており、ボディにパンチを連打していく。
ボシュュ、ドス、ボシュュ~、
香理奈のボディはシャーロットの拳の跡がくっきりと分かるように内出血して青紫色に変色しており、口から泡を吹いてぐったりとしている。
『カーンカーンカーン』
レフリーも兼任するブルーがこれ以上は無理だと判断してゴングを鳴らした。
『勝者:シャーロットブレアー』
シャーロットはコールを受けると香理奈を観客に向かって投げつけて豪快なポージングを決めて強烈なアピールを見せている。
観客からはやりすぎだとブーイングを浴びているが、それだけシャーロットの強さが際立っている。
一方、最後には激しく叩きつけられた香理奈は辛うじて意識はあるものの起き上がる事が出来ない。
観客C:おいおい、香理奈がこんな状態で3本も出来るのかよ
観客D:香理奈、頑張れー
観客からも心配の声と励ます声援が入り交じっている。
しかし、シャーロットは香理奈の頭を踏みつけた。
シャーロット:アメリカのナンバーワンの私とジャパンのナンバーワンの香理奈の実力の差が分かったかしら。
シャーロットが観客を煽ると案の定、観客からはブーイングを浴びており、激昂したファンの中には掴みかかろうとする者もいたが、女王様モードのシャーロットが一睨みするとその迫力に押されてすごすごと引き下がってしまった。
香理奈が息を絶え絶えにさせながら倒れているとブルーは前に出てきた。
ブルー:シャーロット、下がりない。女優の香理奈の女王様モードはやりすぎよ。インターバルは長めに取るからあなたも控え室に戻りなさい。
不敵な笑みを浮かべながらもブルーの指示に従い、一足先に控室に引き揚げた。
ブルーは香理奈を担ぎ上げた。
ブルー:香理奈、2本目はどうする?このままじゃ戦えないわよ。
香理奈:ハア、ハア、ハア、、私のファンの前で、、こんな無様な試合、、申し訳ないわ。2本目はブルードリンクを飲んでから戦うわ。
ブルー:それならよりいい状態で飲まないとね。特別に回復用のカプセルを用意してるから入りなさい。シャーロットには内緒よ。30分程入れば、ほぼ全回復出来ると思うわ。それからブルードリンクタイムよ。
香理奈:ハア、ハア、最初からそのつもりだったんじゃない。嵌められたわ、シャーロットが女王様モードで戦うなんて聞いてないわよ。
ブルー:まあ、何でもいいじゃない。“アルティメットカリナ”が見れると思うとワクワクするわね。私も最大限協力するわ。
ブルーと香理奈の短いやり取りは香理奈サイドの観客に希望を抱かせるには十分で、長いインターバルを観客も休憩しながら待つ事になった。