シャーロットブレアーにより空位となったKー1ベルトの第13代女王の座を巡り、香理奈と稲邑亜美が争う事となった。
地下リング最強の称号を欲しいままにする香理奈だが、亜美にはかつて総合格闘技ベルトのタイトルマッチで敗れており、リベンジマッチとなる。
『赤コーナー 173cm 86-61-88 稲邑亜美~』
亜美は黒のパンツに赤のグローブで出てきた。
"打撃"も得意とばかりにシャドーをして観客にアピールしている。
『青コーナー 165cm 80-58-88 香理奈~』
香理奈は青のパンツに青のグローブを装着して登場してきた。
最強を自負する香理奈は39歳ながらも依然として誇る肉体美を披露している。
27歳の亜美としては体のサイズ、年齢で優位であり、過去に勝利した実績から今日も自身の勝利を信じている。
一方の香理奈も今回は得意のKー1ルールで久しぶりのKー1ベルトの戴冠がかかっており、負けられないと気合いが入っている。
『カーン』
ゴングが鳴るとファイティングポーズをとって間合いを測る香理奈と亜美。
早くも先制したのは香理奈で、鋭いミドルキックを亜美のボディに浴びせていった。
バシッ、
表情を歪める亜美を見て笑みを浮かべる香理奈。
香理奈:キックボクシングのスキルはあまり無いみたいね。動きが鈍いわ。
香理奈は余裕を見せてそう言うとボディにワンツーパンチを亜美の顔に打つと顔をガードしたところに空いたボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
理想的な攻撃を見せる香理奈。
しかし、打たれた亜美は腹筋を入れて耐えると顔にパンチを打ち返していった。
殴られた香理奈は驚いている。
亜美:何て言うか攻撃が軽いのよね。これから私のパワーを見せてあげるわ。
亜美に"攻撃が軽い"と言われた香理奈はイラっとしている。
正面に向かい合う亜美と香理奈。
2人の中でもう一度ゴングが鳴ると。
真正面から激しくパンチとキックを打ち合っていく。
バシッ、バキィ、バシィ、バキッ、
共に筋力には自信がある女優とアイドルの肉弾バトルに観客は熱狂している。
ハードパンチで顔を狙う亜美に対して、香理奈はキックで攻めていく。
バシィ、
香理奈:ううぅ、
亜美のパンチが香理奈の鳩尾にヒットすると香理奈は一瞬動きが止まっている。
亜美はその隙に腕をフルスイングするとアッパーカットのパンチで香理奈の顔面を突き上げた。
バキィィ、
物凄い衝撃音が鳴ると香理奈は鼻血を吹き出して倒れ込んだ。
豪腕ぶりを見せつけた亜美は豪快なガッツポーズを決めてアピールしている。
香理奈は目を虚ろにさせながらも何とか立ち上がるとファイティングポーズをとった。
すると同時に1ラウンド終了のゴングが鳴った。
『カーン』
ゴングに救われた形の香理奈は足取り重く自陣コーナーに戻った。
亜美:香理奈さん、ゴングに助けられたわね。それにしても薄っぺらいバストだわ。
香理奈:ハア、ハア、たまたま鳩尾に当たっただけだわ。肉弾バトル上等よ、次のラウンドでもやってやるわ。
亜美:負け惜しみね、次のラウンドは逃がさないわよ。
両者はインターバルでも舌戦を繰り広げると立ち上がった。
『カーン』
2ラウンドの開始を告げるゴングが鳴った。
両者は距離を一気に詰めると肉弾バトルが再開された。
亜美は香理奈のガードを吹き飛ばす勢いで胸元を力で押していく。
一方の香理奈は腕力では敵わないからとハイキックを中心に脚力で勝負を賭けている。
バキッ、バシィ、バキィ、バシィ、
場内に激しい打撃音が戻ってくると再び観客の歓声も大きくなってきた。
バシィ、
香理奈のハイキックが亜美の側頭部を捉えると亜美はふらついている。
香理奈はチャンスと、もう一発ハイキックを亜美の側頭部に打っていった。
バキィ、
香理奈のハイキックがクリーンヒットすると亜美はヨロヨロと倒れた。
ダウンを奪い返した香理奈はコーナーに肘を掛けて亜美の様子を見ている。
亜美はグローブで頭を抑えて表情を歪めながらも立ち上がった。
香理奈:誰の攻撃が軽いのかしら?
亜美:油断したわ。次は絶対に仕留めるわ。
『ファイト』
試合が再開されると勿論距離を詰めて肉弾バトルに挑む香理奈と亜美。
激しい打撃戦で両者共に体や顔に無数の痣を作っている。
全身の筋肉を滾らせて攻撃する亜美と香理奈。
亜美のパンチが香理奈の顔を捉えて香理奈は鼻血を吹き出しているが、香理奈は前にで続けてキックを打ち返している。
香理奈は亜美のパンチ力を弱らせようと肩口と頭にキックを打ち込んでいくが、亜美はそれでも強烈なパンチを繰り出している。
どちらの攻撃力が相手を打ち破るのか、二頭の獰猛な女豹のプライドとプライドのぶつかり合いがリング内で演じられると場内は熱狂の渦に包まれている。
一進一退の攻防が繰り広げられる中、香理奈のキックが亜美の肩口にヒットすると亜美は右肩に痺れを感じて動きが止まった。
すると香理奈は左肩にもキックを打ち込んでいった。
バシィィ、
ダメージが蓄積されたところにキックを喰らって左肩も同じく痺れる亜美。
亜美:あぁん、
香理奈:もう肩が動かないでしょ、私の怖さはここからよ。
香理奈はそう言うとパワーを溜めて狙いを定めると動きが止まった亜美のバストを突き上げるように喧嘩キックを打ち込んでいった。
パァン、
亜美:ぐええぇぇ、
香理奈のキックが亜美の胸板を貫くと亜美は悶絶して声を漏らすと踞りかけている。ダウンすればKO負けとなる亜美は必死に堪えている。
香理奈は続けてボディに膝蹴りを打つと亜美は香理奈の連続攻撃に後退を余儀無くされてコーナーに追い込まれた。
香理奈は勝負を決めようと再び筋肉美脚を収縮させると亜美のバストを撃ち抜いた。
パァァン、
先程よりも大きな破裂音が場内に鳴り響くと亜美はコーナーにもたれかかるようにしてダウンを喫した。
『カーンカーンカーン』
マウスピースを吐き出してぐったりとする亜美だが、意識はあるようで香理奈に撃ち抜かれたバストを擦って気にしている。
『勝者:香理奈、よって第13代Kー1ベルト女王は香理奈。』
勝利した香理奈は主催者から受け取ったベルトを高々と掲げると観客にアピールしている。
敗れた亜美が担架で運ばれると入れ替わるようにシャーロットブレアーがリングに入ってきた。
ゴージャスな装いをしたシャーロットと試合を終えて汗をびっしょりとかきながらも全身の筋肉の興奮が収まらない香理奈がリング中央で対峙している。
シャーロット:香理奈、ビキニタイトルの勝利オメデトウ。勿論私に"挑戦"スルノヨネ。
香理奈:ありがとう、シャーロット。ただし、女王は私。挑戦するのはシャーロット、あなたよ。
シャーロット:コノリングのナンバーワンの香理奈と対戦出来てウレシイワ。
香理奈:私もよ、シャーロット。日本の女優を舐めてるみたいだけど、私が日本のレベルの高さを証明するわ。
睨み合うシャーロットと香理奈。
不敵な笑みを浮かべるシャーロットに対して、香理奈は真剣な眼差しで睨んでいる。
こうして『香理奈VSシャーロットブレアー』の新シリーズが幕を開けた