エキシビジョンマッチ(青樹愛VS蒼野楓)
- 2022/04/14
- 17:58
青樹愛VS蒼野楓の地下リング屈指の黄金カードがエキシビジョンマッチで実現する。
この試合は先日の『神戸美女VS京都美女』が第5試合まで縺れ込めば、行われる予定だったカードだ。ファンからも要望が多く、エキシビジョンマッチで組まれる運びとなった。
ルールはどちらかが戦闘不能になるまで試合が終わらないアルティメットバトルルールで行われ、激戦必至の試合となりそうだ。
『赤コーナー 173cm 85-60-83 青樹愛~』
漆黒の檻に先に姿を現したのは愛で、鍛え上げられたボディをポージングをとりながら存分に披露している。
『青コーナー 169cm 82-58-86 蒼野楓~』
楓はロングヘアの黒髪を靡かせると指には鮮やかなブルーのネイルを光らせて登場してきた。
檻の中に屈強な女戦士が揃うと場内の緊張感が増している。
『カーン』
ゴングが鳴っても愛と楓はじっと睨み合っている。
沈黙が却って場内の空気を重たくしているが、ようやく両者はゆっくりと動き始めると間合いを測って檻の中央でがっぷり四つに組み合うと力比べになった。
フィジカルに定評のある愛と楓のパワーがぶつかり合うと静かな状態から一気に試合が動き出した。
楓としては相手は元トップアスリートで自らよりもサイズがある愛だが、負けられないと渾身の力を込めると押し込んでいった。
鉄格子に背中を押しつけられる愛。
ロープブレイクが無い檻の中で有利なポジションを獲得した楓は膝蹴りを愛のボディに打ち込んでいった。
ボシュ、
愛:あうぅぅ、
愛の分厚い腹筋を突き破る程の威力のある膝蹴りを放つ楓。
愛は表情を歪めているが、楓もここまでフルパワーを使っているので、少し肩で息をしている。
愛はその隙を見逃さず、屈んだ状態から楓の腰にタックルを入れると押し倒していった。
バァン、
背中を鉄板に叩きつけられる楓。
愛は馬力がある事を見せると馬乗りになった。
ガードを固める楓だが、愛は上からハンマーパンチを振り落としていった。
バキィ、バシィ、
女優でありながら武道家としての一面を持つ楓といえどもマウントポジションから愛の破壊力のあるパンチを食らって鼻血を吹き出している。
愛は一気にKOを狙ってパンチを連打していくと楓は鼻血を酷くさせて苦悶の表情を浮かべている。
バシッ、バキッ、
空手とキックボクシングをバックボーンに持つ楓はスタンディングでの打撃には定評があるものの元トップアスリートの愛のマウントポジションからのパンチには対応出来ず、焦っている。
それでも楓は下から両脚を愛の胴回りに巻きつけると自らの体の上から退けた。
愛は楓を掴まえ直そうとするが、楓が振り払うと両者は素早く立ち上がった。
ファイティングポーズをとるとスタンディングから試合を再開させる楓と愛。
楓は鼻血を滴り落としているが、得意のスタンディングで巻き返そうとハイキックを仕掛けてきた。
愛はハイキックを避けるが、楓は愛が避けたところにボディへパンチを打っていった。
バシッ、
ボディにパンチを受けた愛は腹筋で堪えると楓の顔にパンチを打ち返していった。
バキィ、
顔を殴られた楓は険しい表情になっているが、ミドルキックで愛のボディを抉っていった。
バシィ、
立て続けにボディに強打を受けて顔を歪める愛だが、前蹴りで楓のバストを弾くと距離を取った。
一進一退の攻防に盛り上がる場内。
汗をびっしょりとかいて呼吸を荒くさせる愛と楓。
愛はパワーで攻めようと前に出ると組み合っていった。
応じる楓だが、体に力があったのは愛で勢いよく押し込んでいくと楓の背中を鉄格子に押し付けた。
楓の逃げ場が無くなったところで、愛はステップバックすると膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュ、
楓:ううぅぅ~~、
膝蹴りを喰らった楓は呻き声をあげている。
愛は効いていると見てまだ楓を離さず、ポジションを固定させると膝蹴りを連打してきた。
ドス、ボシュ、ボシュュ~、
楓:あぁ、ああぁぁ~、
1回目は何とか腹筋を入れて凌いだ楓だが、2回目からは力が入らず内臓に膝が直撃している。
愛:空手とかキックボクシングを習っているみたいだけど、本物のトップアスリートには敵わないのよ。
愛がそう言うと楓は口から黄色い液体を吐き出しながら膝から崩れ落ちた。
場外のレフリーも判断に迷っているが、愛は寝ている楓の髪の毛を掴んで、失神寸前の楓の顔を観客に晒している。
愛:あんたの無様な顔、みんなに見て貰いなさい。
楓は屈辱に晒されるが、愛の腕にしがみついて戦う意思を見せているので、レフリーは試合を続行させていく。
愛:往生際が悪い女ね。
愛は楓の髪の毛を掴んだまま起き上がらせるとブレーンバスターの体勢に入った。
豪快な投げ技で試合を決めようとする愛の予想外に楓が踏ん張っている。
楓は屈んだ体勢から愛の太ももを取ると引き倒していった。
バァン、
背中から鉄板に叩きつけられる愛。
楓:ハア、ハア、おしゃべりが長すぎるのよ。
楓は息を切らせながらもそう言うとマウントポジションを奪った。
楓が形勢を逆転させると観客は驚いている。
愛は慌ててガードを固めるが、楓のパンチが先に愛の顔面を捉えた。
バキィ、
楓の重たいパンチが愛の顔に振り落とされると愛は額を割って流血している。
楓は愛の左腕を右脚でロックするとガードを出来なくさせるとハンマーパンチの雨を降らせていく。
バキィ、バシッ、バキッ、
ガードもままならず顔を殴られる愛はグッタリとしてきた。
驚異のタフさを見せる楓はここにきてターボをかけてくると綺麗なブルーのネイルをした拳を愛の顔に振り落としている。
苦境に陥る愛だが、必死に藻掻くと楓を体の上から退かせる事に成功した。圧倒的に不利な体勢から盛り返して愛はフィジカルの強さを見せている。
しかし、楓はすぐに愛の首に自慢の鍛え上げた美脚を巻きつけるとレッグスリーパーをかけていった。
愛:くっ、こんなもの、すぐに外してやるわ。
楓:私の脚は最強よ。蹴れなくてもアルティメットバトルならこうやって使えるわ。
自らの首を締める楓の脚にすがりつく愛だが、中々外せない。
一方の楓も腹筋に力を込めるレッグスリーパーには既に腹筋を愛の膝蹴りで壊されているだけに苦しく表情になっている。
シンクロの選手だった愛は持ち前の持久力を発揮して耐えているが、長時間の攻防に苦しくなってきた。
楓もボディに激痛が走り、苦悶の表情をしている。
楓:(ハア、ハア、こんな化け物、ここで逃げられたらこの勝負取れないわ、一気に勝負を賭けるわよ。)
楓は激痛を堪えながらも渾身の力を込めると遂に愛は口をパクパクさせながら口から泡を吹き出してきた。
しかし、愛はまだ勝負を諦めずに楓のレッグスリーパーを外そうとしている。
愛の凄まじい精神力に楓は驚いているが、愛の両手を掴むと抵抗すら出来ない状況に追い込んでいく。
愛はただ締め上げられていく絶望的な状況にパニックを起こして両脚をジタバタさせている。
勝負は決まったかと思われたが、愛は不屈の精神力で体を震わせて泡を吹きながらもまだ意識は保っている。
楓:ハアアアァァァ~~~
檻の中央では楓が物凄い形相で力を込めている。
二頭の女豹は共に追い詰められて壮絶な展開になっていく。
愛は依然として目を虚ろにさせて体をプルプルと震わせながらも意識を繋ぎ止めているが、檻の外のレフリーはこれ以上は危険だと判断してゴングを要請した。
『カーンカーンカーン』
ゴングが鳴ると解放された愛は呼吸を荒くして倒れ込んでいるが、勝利した楓もぐったりとしている。
『勝者:蒼野楓』
地下リング最強との呼び声高い愛を相手に女同士の裸の戦いで勝利した楓は満足気な様子だ。
一方の敗れた愛は意識を取り戻すとふらつきながらも敢然とレフリーに向かっていくと胸ぐらを掴んだ。
愛:まだ戦えたわ、何で止めたのよ。
愛に胸ぐらを掴まれたレフリーは蛇に睨まれた蛙のように固まってビビっているが、大男の黒服がに引き離されると事なきを得たのだった。
愛は黒服を振り払うと踵を返して不機嫌そうに檻から去っていった。
楓は観客からの激戦を讃えるスタンディングオベーションに手を振って応えながら悠然と控室へと引き揚げた。