Kー1ベルト その27 (藤原紀華VS古河優奈)
- 2022/04/04
- 23:08
紀華の持つKー1ベルトの初防衛戦が行われる。
50歳を迎える女帝・紀華に挑戦するのは最近テレビで引っ張りダコの若干20歳の古河優奈だ。
大ベテランの紀華を相手にヤングスターがどのようなファイトを見せるか注目だ。
『赤コーナー 171cm 藤原紀華~』
紀華は黒のパンツに赤のグローブで出てきた。
まさに王道のストロングスタイルのトップレスでの登場は観客からも称賛の眼差しを集めている。
『青コーナー 175cm 古河優奈~』
優奈は色白な肌が引き立つ白のパンツに青のグローブで登場してきた。
女帝・紀華を凌ぐ高身長でスタイルの良さを見せつけている。
新旧対決となり、まさに時代をも動かす戦いとなりそうだ。
『カーン』
ゴングが鳴るとファイティングポーズをとりながら前に出る両者。
優奈は新進気鋭の若手らしく積極的にパンチを打っていくと紀華も応戦して試合開始早々から打ち合いになっていく。
バキッ、バシィ、バシッ、バシィ、
激しい殴り合いに場内は盛り上がっている。
するとややサイズで勝る優奈が紀華を押し始めてきた。
元々優奈としては20歳の自分が女帝と呼ばれて久しい50歳の紀華に負けるはずは無いと考えていたので、目論見通りの展開となっている。
しかし、観客にとっては紀華が実績の無い若手に押される姿は衝撃が大きいようで、戸惑っている。
紀華も「勢いだけの若手なんかは一捻り」と考えていたが、いつの間にかガードを固めて守りつつ何とかカウンターの機会を狙う展開になっていく。
そうこうしている間に顔を殴られる紀華は顔を腫らしながら鼻血まで吹き出して苦しくなってきた。
優奈:オバサン、名前だけでやってるみたいだけど、実際のところは苦しいんじゃないの?
饒舌になる優奈だが、隙を見せたところを紀華は見逃さずにボディをパンチで抉っていった。
ボシュ、
優奈:あうぅぅ、
紀華:ハア、ハア、
紀華は肩で息をしながらも渾身の一発を放つと優奈は口をパクパクさせてあえいでいる。
優奈は紀華にもたれかかるようにして何とかダウンを逃れている。
紀華:腹筋の鍛え方が甘いんじゃないの?
紀華が耳元で囁くと優奈は悔しそうな表情をしている。
『カーン』
ここで1ラウンド終了のゴングが鳴った。
押し気味だった優奈としては苦々しい1ラウンドの最後となり、対照的に紀華は疲労の中にも充実した表情を浮かべている。
両者はセコンドにタオルで汗を拭ってもらったり、水を口に含ませてリカバリーに努めると2ラウンドへと向かった。
『カーン』
ゴングが鳴ると両者はファイティングポーズをとって向かい合った。
優奈は頭にボディへのカウンターのイメージがあり、1ラウンドのように積極的に前には出れず、慎重な入りとなっている。
一方の紀華はここから本領発揮とばかりに勢いに任せた攻撃ではなく、じっくりと狙いを定めながら強打を放っていく。
バキッ、
紀華のパンチが顔にヒットすると優奈は頬を紅潮させている。
優奈は紀華の重厚な攻撃に苦しんでいる。
若さとダイナミックなサイズを全面に勢いがある優奈に対して、紀華は鍛え上げた筋肉で勝負している。
優奈が顔を殴られたくないからとガードを上げると紀華はボディにミドルキックを打っていった。
バシィ、
優奈:おええぇぇ~~、
優奈はボディを蹴られて悶絶すると膝を着いてしまった。
お腹を抑えて倒れ込んでダウンを喫する優奈。
紀華は良く組み立てられた攻撃を自賛して笑みを浮かべながらコーナーに肘を掛けて優奈の様子を見ている。
優奈は険しい表情になりながらも立ち上がるとファイティングポーズをとった。
『ファイト』
試合が再開されると重戦車の紀華が攻めてきた。身構える優奈。
紀華は優奈のボディに絞ってパンチやキックを集めていく。
バシッ、ドス、
紀華の重い打撃がボディにヒットすると優奈は苦悶の表情を浮かべて、色白の肌が青紫色に変色して痛々しい姿になっている。
紀華がこのまま蹂躙して勝利するかと思われたが、ギャル魂の優奈が突如気勢を上げた。
優奈:負けてたまるかー!
優奈は絶叫すると紀華の顔面にパンチを打ち返していった。
バキィ、
紀華:んん~~、
優奈のパンチを顔面に食らって鼻血を吹き出す紀華。
優奈は更にハイキックを打っていくが、紀華は避けるとカウンターのパンチを優奈のボディに打ち込んでいく。
ボシュ、
優奈:あうぅぅ~~、
又してもボディに打撃を食らって踞りかける優奈。
紀華:私を相手にやり返してくるなんて面白い小娘だわ。徹底的に叩き潰さないとダメみたいね。
紀華はそう言うと立っているのが精一杯な優奈に打撃を浴びせるとコーナーに追い込んでいった。
コーナーを背にして逃げ場が無くなる優奈はガードを固めて守るが、動きが止まった相手に紀華は隙間からパンチを打ち込んでいく。
バシィ、ボシュ、
紀華の強烈なパンチや膝蹴りが立て続けにヒットしてグロッキーな状態に追い込まれる優奈。
すると紀華はガードが下がってきた優奈のボディに膝蹴りを打っていった。
ドス、
優奈:うげぇぇ~~
執拗に攻撃を受けているボディに膝蹴りを喰らった優奈はマウスピースを吐き出してコーナーにもたれかかると腕がロープに引っ掛かってガードが完全に解けている。
紀華はノーガードになった優奈の柔らかいボディにパンチを打ち込んでいく。
ボシュ、バシッ、ドス、
紀華のパンチが次々に優奈のボディに突き刺さると今にも崩れかかっているが、ダウンすれば、その時点でノックアウト負けとなる為、険しい顔つきになりながらも必死に粘っている。
しかし、堪え続ける優奈のボディは青紫色に変色して見るからに痛々しい姿になっている。
紀華は体を近づけるとトドメとばかりにボディを突き上げるようにしてアッパー気味のパンチを打っていった。
ボシュュ~~、
優奈:おええぇぇ~~~
優奈は黄色い液体を吐き出すと遂に涙を浮かべながら崩れ落ちてしまった。
『カーンカーンカーン』
序盤の劣勢から一気に捲って逆転勝利の紀華はガッツポーズをしている。
『勝者:藤原紀華』
紀華はベルトをリングに這いつくばる優奈に見せつけるかのように掲げている。
紀華:あんたみたいな小娘にはこの崇高なベルトはまだまだ早いのよ。
紀華がそう言うと優奈はリングに四つん這いになると下から睨みつけている。
紀華は優奈を一瞥すると悠々とリングを去ると優奈は悔しさからか激痛からか涙を流している。