K-1ベルト その26(岡多智子VS藤原紀華)
- 2021/04/18
- 13:57
ランキング上位者が集う今大会のKー1ビューティーマックス。本来ならばここでエキシビションマッチを行い、決勝戦となるのだが、今回はいつもより豪華なKー1ビューティーマックスという事で、岡多智子が持つKー1ベルトのタイトルマッチが行われる事となった。
挑戦者はランキング4位のレジェンド・藤原紀華だ。紀華は出場資格を持ちながらも年齢により負担の大きいトーナメントの出場を辞退していたが、1試合限定のタイトルマッチならばと参戦してきた。
『赤コーナー 174cm 85-60-88 岡多智子~』
智子は赤のグローブに黒のパンツを履いて登場してきた。
相手は地下リングのレジェンド・藤原紀華だが、腰に巻いたベルトをアピールして女王は私だと言わんばかりだ。
『青コーナー 171cm 88-60-89 藤原紀華~』
紀華は青のグローブに白のパンツで出てきた。
いつものストロングスタイルの黒のパンツは女王の智子に譲ったが、試合の主役は譲るつもりはないと自信十分のにリングインした。
『カーン』
ゴングが鳴るとファイティングポーズをとりながらリングを旋回する智子と紀華。
時折ジャブを放つ両者だが、互いに大型選手なだけに相手の一撃の破壊力を警戒して中々積極的には攻撃して来ない。
先に攻撃をヒットさせたのは女王・智子の方で右フックが紀華の顎を捉えた。
バキ、
鈍い音が鳴ると顔を歪めた紀華だが、逆に闘争心に火が着いたのか智子の顔面にパンチを打ち返していった。
バシッ、
ヒットすると智子も顔を殴られた事で眼光が鋭くなっている。
熱くなった両者は互いの顔を殴り合っていく。
バシィ、バキィ、バシッ、バシィ、
試合開始早々からの激しい顔面の殴り合いに観客は盛り上がっている。
真正面からパンチを打ち合って頬を紅潮させる紀華と智子。
バシィ、
紀華:あうぅぅ、
智子のパンチが紀華の顔面にクリーンヒットすると紀華は早くも鼻血を吹き出している。
先制された紀華は取り返そうと殴り返そうとするが、智子に避けられるとカウンターパンチの餌食になった。
バシッ、
智子のパンチが今度は紀華のボディを捉えると屈強なボディを持つ紀華といえども辛いのか口をパクパクさせている。
紀華はガードを固めて守ろうとするが、智子のミドルキックが紀華のボディを撃ち抜いた。
バシィィ、
紀華:んんん~~~、
紀華はマウスピースを吐き出して呻き声をあげるとリングに崩れ落ちた。
勝ち誇った表情を浮かべる智子。
紀華はリングに這いつくばりながらもマウスピースをはめ治すと何とか立ち上がってファイティングポーズをとった。
『カーン』
紀華が立ち上がったところで1ラウンド終了のゴングが鳴った。
女帝・紀華に対して押し気味に1ラウンドを終えた智子はガッツポーズをしてアピールしている。
紀華は目を虚ろにさせながらも自陣のコーナーに戻ると2ラウンドでの反抗を誓って闘志を燃やしている。
『カーン』
両者がリング中央に戻ってくると2ラウンドが始まった。
智子は1ラウンドでダウンを奪って余裕があるのかゆったりと構えている。
対する紀華は取り返そうと盛んに動いて攻撃の機会を探っているが、50歳近い紀華は既に体に汗を滲ませている。
紀華が智子の顔面を狙ってパンチを打っていくが、智子が避けて空振りに終わると逆に智子が紀華の顔にパンチを打ち返してきた。
バシッ、
智子のパンチを顔面に食らった紀華は鼻血を酷くさせている。
智子は更にもう1発パンチを打っていくが、紀華は読んでいてガードして防ぐとカウンターのミドルキックを智子のボディに打ち返していった。
バシッ、
強烈なミドルキックに動きが止まる智子。
すると紀華はすかさず智子のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュュ~、
智子:ぐえええぇぇぇ~~、
紀華の膝が智子のボディに突き刺さると智子は悶絶して悲鳴をあげながら座り込むようにして崩れ落ちた。
ダウンを奪い返した紀華は智子に上から視線を送って見下した態度を見せている。
一方、ダウンを喫した智子はお腹を擦りながらも立ち上がってファイティングポーズをとった。
『ファイト』
試合が再開されると紀華は今がチャンスと前に出てきた。
年齢的にもスタミナ面が不安な紀華は早目に勝負を決めたいところ。
智子もボディを気にする素振りを見せながらも応戦すると再び打ち合いになった。
バシィ、バキィ、バシッ、バキィ、
激しい打撃の応酬になる紀華と智子。
鼻血を流している紀華は体力的に厳しくなってきたが、紀華のパンチが智子の顔面を捉えた。
バシィ、
顔を殴られて後退を余儀無くされる智子。
紀華は智子のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュュ、
智子は顔のガードを固めていてがら空きになったボディを膝蹴りで抉られて口をパクパクさせて目を見開いている。
何とかダウンは免れているもののグロッキーな状態に追い込まれる智子。
紀華は50歳近い年齢とは思えない躍動感で智子に襲い掛かっている。
智子としては如何に女帝とはいえ、サイズも年齢も自分の方が優位なだけに押し込まれている現実が信じられない。
紀華は狙いを定めると智子の顎をアッパーカットで突き上げていった。
バキィィ、
智子:んんん~~~、
紀華のバストが揺れる程の豪快なアッパーカットを食らった智子は悲鳴をあげながら膝から崩れ落ちた。
『カーンカーンカーン』
敵を仕留めた女帝は眼下にうつ伏せに倒れる智子の後頭部を踏みつけてアピールしている。
『勝者:藤原紀華、よって第11代Kー1ベルト女王は藤原紀華。』
女帝の女王就任に観客も歓声をあげている。
紀華は腰にベルトを巻くと大歓声に貫禄たっぷりに手を上げて応えて見せた。
敗れて女王陥落となった智子は悔しさから目に涙を浮かべながらも自力で立ち上がると歩いてリングを去った。
女帝の戴冠を歓迎する観客は紀華に声援を送ると紀華は心地良さそうにしながら控室へと引き揚げていった。