エキシビションマッチの第1試合は山元彩VS市河由衣でプロレスルールで行われる。何でも地下リングの大物からのリクエストマッチという噂もあり、両者共に気合いが入っている。
実力はありながらもイマイチ戦績が伴わない彩と由衣はこの一戦でブレイクしようとリングに出てきた。
『赤コーナー 155cm 山元彩~』
『青コーナー 158cm 市河由衣~』
彩は白、由衣は黒のビキニを身に纏ってそれぞれ登場してきた。
自陣のコーナーで体を動かしながらウォーミングアップをして試合開始のゴングを待つ彩と由衣。
『カーン』
ゴングが鳴るとレスリングスタイルで低い体勢になりながら攻撃の機会を伺う両者。
彩はタックルを仕掛けるが由衣は首尾良く対応して上から押し潰した。
彩の上に覆い被さった由衣はボディに拳を打ち込んでいく。
バシ、ドス、
彩:あうぅぅ、
美腹筋を持つ彩だが、筋肉が無いところを殴られてはどうしようもなく、呻き声をあげている。
攻撃が有効だと感じて続けようとする由衣。しかし、彩は由衣の左太ももを掴まえて下からバランスを崩すと体勢をひっくり返した。
今度は彩が由衣の上に馬乗りになると顔に張り手を打ち込んでいく。
バシ、バシッ、
顔面を叩かれて頬を紅潮させる由衣。
彩はポジションを安定させると肘で由衣の喉元を押さえ付けてギロチンチョークをかけていくとレフリーから反則だと指摘されて離れざるを得なくなった。
首を締め付けられて咳き込む由衣。彩は優位なポジションを容易に手放してしまった事を後悔している。
『ファイト』
両者が落ち着いたところでスタンディングで試合が再開された。
今度はファイティングポーズをとって打撃で勝負しようとする彩と由衣。
彩が時折放つローキックげ由衣の太ももを捉えると由衣は嫌がる素振りを見せている。
由衣の太ももは徐々に赤く腫れている。
彩は機を見てミドルキックを放つが、由衣は彩の右脚をキャッチすると片足立ちになった彩にドラゴンスクリューを仕掛けた。
バタン、
右脚を捻られて倒れる彩。
由衣は彩をうつ伏せにさせて押さえ付けるとキャメルクラッチをかけていった。
顎をクラッチされて締め上げられる彩。
気づけば、技をかけている由衣も技をかけられている彩も体に汗を滲ませている。
由衣は彩を締め上げると彩がロープに辿り着いた時には息が上がって随分と体力を消耗させられていた。
『ロープ』
ロープブレイクで一息つこうとする彩だが、由衣はすぐに掴まえると彩の首を抱えてDDTで額から叩きつけていった。
バァン、
うつ伏せに倒れる彩。
由衣は彩の体を仰向けにさせるとフォールに入った。
『ワン、ツー、』
カウント2でブリッジで返す彩。
自慢の腹筋で由衣を体の上から退ける彩だが、呼吸を荒くさせて汗もびっしょりとかいている。
由衣は彩の髪の毛を掴んで起き上がらせるとバックドロップの体勢に入った。
勝負を決める大技を放とうと力を込める由衣だが、彩はエルボーを由衣の側頭部に打ち込んで、引き離した。
頭を抑えて痛がる由衣。
彩は振り向きざまに由衣の顔面に打点の高いキックを打っていった。
バシッ、
ヒットすると仰向けに倒れる由衣。
彩は由衣の上に覆い被さるとスリーパーで由衣の体力を削りにいった。
苦しそうな表情を浮かべる由衣だが、すぐ近くにあったロープに右足を掛けて難を逃れた。
『ロープ』
ロープブレイクで攻撃機会を逸した彩はしまったという素振りを見せるが、技を解かざるを得ない。
由衣がふらつきながらも立ち上がると試合は再開された。
彩は自らの体をロープに振ると反動をつけてからドロップキックを放つが、由衣が避けると自爆してリングに尻餅をついた。
バタン、
倒れた彩の右腕に由衣は絡みつくと腕ひしぎをかけていった。
痛みに表情が歪む彩は逃れようとするが、リング中央で右腕を極められて脱出が難しくなっている。
由衣は彩の右腕をガッチリと極めているが、敢えて解放すると体勢を入れ替えてグランド状態での卍固めをかけていった。
彩の体に由衣の体が密着して絡みつくと彩は締め上げられていく。
由衣の必殺技の卍固めに彩は口をパクパクさせて藻操いている。
苦悶の表情を浮かべる彩は手足を封じられて抵抗出来ず、代わりに美腹筋が浮かび上がっている。
由衣:その腹筋もこうなったら役に立たないわね。
由衣は耳元で囁くと力を込めていく。
彩:んああぁぁぁ、
呻き声をあげる彩は耐えるだけの時間が続くと体力だけが消耗して遂に由衣の体をタップした。
『カーンカーンカーン』
彩のギブアップで試合が止められた。
『勝者:市河由衣』
勝利した由衣は観客の声援に応えながら彩の顔面を踏みつけてアピールしている。
久しぶりの勝利に気を良くした由衣は笑顔でリングを去った。
一方の敗れた彩は実力を発揮出来ず、悔しそうな表情になるとせめてもの意地を見せて自分の足でふらつきながらも歩いて控室へと戻った。