アルティメットバトルトロフィー第2試合は東軍・稲邑亜美、西軍・朝日奈彩となった。
第1試合を落とした東軍としては第2試合は必勝を期して総合格闘技ベルト女王の稲邑亜美を起用してきた。
『赤コーナー 173cm 86-61-88 稲邑亜美~』
亜美は野球で鍛えたダイナミックなボディを披露して出てきた。
『青コーナー 171cm 80-58-83 朝日奈彩~』
彩は学生時代、陸上で鍛え上げたボディで登場してきた。
檻の中に入ると互いの体を睨み合う亜美と彩。
亜美:私は野球で男と争って体鍛えてきたの。女同士で走ってるだけのあんたとは違うのよ。
彩:野球なんて女じゃマイナースポーツよ、私は厳しい競争の世界でいきてきたの。
試合前から舌戦でヒートアップする亜美と彩に盛り上がる場内。
『カーン』
ゴングが鳴ると彩は自慢の健脚を活かしてダッシュすると勢いをつけて亜美に組み付いていった。
亜美がどっしりと受け止めると取っ組み合いになった。
掴み合って膠着状態になるが、白熱したパワー勝負に観客は盛り上がっている。
仕掛けていった彩だが、ここは亜美が彩を鉄格子まで押し込んでいった。
背中を鉄格子に押し付けられる彩。
彩:うぐぅ、
亜美:パワーは私の方が上のようね。
勝ち誇る亜美。彩は悔しそうな表情を浮かべている。
押し込んだ亜美はそのまま彩のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ドス、
彩:あうぅぅ、
腹筋を入れて耐えようとする彩だが、耐えきれずに声を漏らしている。
亜美は効いていると見てもう1発膝蹴りを打とうとするが、彩は亜美がステップバックした瞬間に押し返して防いだ。
一旦離れた彩と亜美。
彩は打撃で勝負しようとボクシングスタイルでファイティングポーズをとると亜美も構えている。
キックボクシングを習っているという彩はタイミングを上手く測るとミドルキックを亜美のボディに打っていった。
バシィ、
亜美:うっ、
彩の鋭いミドルキックがボディに突き刺さると一瞬動きが止まる亜美。
すると彩は亜美の顔面にパンチを打っていった。
バキィ、
亜美:んん、、
彩の拳が亜美の鼻にヒットすると亜美は鼻血を吹き出している。
彩は一気に行こうともう1発パンチを顔面に打とうとするが、亜美は避けるとラリアットで彩を倒していった。
仰向けに倒れる彩。
剛腕を見せた亜美だが、鼻血がポタポタと滴り落ちる鼻を抑えている。
彩はその間に起き上がると両者は向かい合った。
睨み合う亜美と彩。
亜美は組み付いていくと彩も応じて取っ組み合いになる。
肉体をぶつけ合う彩と亜美。
彩は亜美のボディに膝蹴りを打ち込んでいくが、亜美は彩の右脚を抱えて掴むとバランスを崩して押し倒した。
亜美は仰向けに倒れた彩の上に乗ってマウントポジションを奪った。
しまったという表情を浮かべる彩。
亜美:さっきはよくもやってくれたわね。
亜美はそう言うと彩の顔面にハンマーパンチを振り落としていく。
ガードを固めて守る彩だが、亜美のハンマーパンチを全ては防ぎきれない。
バシ、バキッ、
亜美のハンマーパンチが何発かヒットすると彩も鼻血を吹き出している。
下から抵抗しようとする彩だが、亜美が上手く押さえ付けていて中々逃れられない。
亜美は彩のガードを掻い潜ってパンチを顔面に振り落とす。
バキィ、
彩:あああぁぁ、
両脚をバタつかせて悲鳴をあげる彩。
亜美はこのまま彩の顔面を潰そうとするが、彩はようやく下から亜美の両手を掴まえた。
動きを封じられた亜美は振り払おうとするが、彩は亜美の体が浮いたところで長い脚を亜美の体に巻き付けると体の上から退かせて逃れた。
素早く立ち上がる彩。
彩:ハア、ハア、ハア、
息を切らせる彩だが、ファイティングポーズをとって亜美と向かい合っている。
チャンスを逃した亜美だが、彩が消耗している間に一気に決めようと距離を詰めると顔面にパンチを打っていった。
しかし、彩は避けるとミドルキックを亜美のボディに打ち返した。
バシィ、
亜美:あうぅ、
強烈なミドルキックに動きが止まる亜美。
彩は続けてハイキックで亜美の頭を狙っていくが、亜美はガードが間に合って防ぐも威力に押し込まれている。
彩は亜美を鉄格子まで追い込むと膝蹴りをボディに打ち込んでいった。
ボシュュ~~、
亜美:うげぇぇぇぇぇ、
彩の膝が亜美のボディにめり込むようにヒットすると亜美は膝から崩れ落ちた。
彩は止めを刺そうとサッカーボールキックで亜美の頭を蹴ろうとするが、亜美は下から彩の軸足の左足首を掴むと引き倒した。
バーン、
不意に足首を引っ張られて背中を鉄板に叩きつけられて仰向けに倒れる彩。
両者共にダメージが大きく中々起き上がれない。
鼻血を流しながら倒れる彩と亜美。
それでも彩は先に立ち上がると狙いを定めて亜美の頭を蹴っていった。
起き上がりかけていた亜美は辛うじてガードが間に合うが、威力に押されて再びうつ伏せに倒れた。
彩はバックマウントを奪うと後頭部を素手で殴っていく。
バキッ、バキィ、
彩に頭を殴られて体を震わせる亜美だが、何とか逃れようと下から抵抗している。
彩は弱らせるとキャメルクラッチで亜美の体を反り返らせていく。
口をパクパクさせて表情を歪める亜美。
彩も表情に余裕は無く、必死に締め上げるが、バランスを崩して技を解いてしまった。
ぐったりと倒れる亜美。
彩は息を切らせながらも先に立ち上がった。
亜美も四つん這いになりながらも立ち上がろうとするが、彩に掴まえられるとバックを獲られてしまった。
彩はバックドロップの体勢に入るが、亜美が体を揺すって抵抗すると彩はバックドロップに失敗して逆に背中を鉄板に叩きつけられると更に亜美の体の下敷きになってしまった。
学生時代、瞬発系のスポーツに励んでいた亜美と彩はスタミナ切れを起こし始めている。
亜美は優位な体勢を活かしてマウントポジションを奪おうとするが、彩は下から亜美の体に抱き着いて体を密着させた。
汗をびっしょりとかいて、疲労困憊で余裕が無い肉体に定評がある美女2人が抱き合っている姿に興奮する観客。
両者は鉄板の上で縺れ合うと彩が制してサイドポジションを奪った。
彩は亜美のわき腹に得意の膝蹴りを打ち込んでいく。
ドス、ボシュ、
膝蹴りを筋肉が無いわき腹に喰らって苦悶の表情を浮かべる亜美。
彩はポジションをキープしながら膝蹴りを打ち続きたいところだったが、亜美がブリッジで体を起こすと彩の体を撥ね退けて逃れた。
素早く立ち上がる亜美と彩。
両者は向かい合うと最後の力を振り絞って打撃戦に臨んだ。
ファイティングポーズをとって構える彩と亜美。
彩はスピーディな動きで回り込むとミドルキックを打っていくとボディにヒットした。
バシィ、
先手を取った彩はテンポ良くパンチを亜美の顔面にヒットさせた。
バキィ、
亜美:ううぅ、
喘ぎ声を上げる亜美。
彩はチャンスと見てハイキックを打っていくが、亜美は避けると彩の顔面にパンチを打ち返していった。
バキィ、
彩:んあぁ、
亜美の重いパンチに鼻血を酷くさせてふらつく彩。
亜美はもう一発パンチを彩の顔面にパンチを打っていくと彩も亜美の顔にハイキックを打っていった。
バキィ、バキィ、
同時に頭部にパンチとハイキックがヒットすると倒れる両者。
死力を尽くして戦った両者は精根尽き果てて、起き上がる事が出来ない。
『カーンカーンカーン』
まさかのダブルノックアウトに騒然とする場内。
『只今の試合はダブルノックアウトにより引き分けとします。』
試合終了後もぐったりと倒れたままの彩と亜美は氷嚢を当てられたり酸素で呼吸させたりとセコンドの応急措置を受けると主催者や黒服が檻の外で協議している。
『引き分けですが、両者共に罰ゲーム待ちの牢屋に入れます。』
裁定が下されると観客は盛り上がている。
彩と亜美は両手に手錠を嵌められると既に瀧澤沙織が捕らえられている檻へと入れられた。
まだ2試合だが、檻の中には3人も美女が捕らえられて興奮する観客。