プロレスルールで市河由衣と山元梓の人気グラドルがプロレスルールでぶつかり合う。
共に地下リングでは勝ち星が無く、この試合での初勝利を狙っている。
『赤コーナー 158cm 83-55-85 市河由衣~』
『青コーナー 157cm 82-55-83 山元梓~』
由衣は白、梓は黒のビキニでそれぞれ出てきた。
主にバストを売り物にしているグラドルだが、由衣と梓は美形とあって観客の注目を集めている。
両者はサイズがほぼ同じという事もありライバル心があるが、梓の方が5歳上で由衣を見下している。
『カーン』
ゴングが鳴ると梓は力比べを誘っている。
由衣はむしろ梓相手ならパワーで勝てると誘いに乗ると両者は指と指を絡み合わせて力比べになっていく。
リング中央で押し合う梓と由衣。
梓は由衣ならば、容易に押し込めると思っていたが、考えとは裏腹に由衣に押し込まれてしまった。
『ロープ』
梓:ぐっ、
由衣:お姉さん、私を舐めすぎじゃない。
ロープブレイクがかかるが、由衣は離れ際に梓のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュ、
梓:んん~、
踞る梓。しかし、これは反則だからとレフリーは梓が回復するのを待ってから試合を再開させた。
『ファイト』
由衣は再開後、早々にドロップキックを放つが、梓が避けると空振りに終わってマットに叩きつけられた。
バタン、
梓は由衣が起き上がりかけたところで、頭を蹴っていった。
バキィ、
強烈な一撃にぐったりと倒れる由衣。
レフリーは由衣の様子を心配しているが、梓は構わず由衣の後頭部にスタンピングを振り落としていく。
バキ、バキ、バシッ、
梓:先輩の私に勝てるわけないでしょ!
梓はそう言うと由衣の体を仰向けにさせるとコーナーの下にセットしてコーナーによじ登った。
梓は観客にアピールするとフライングボディプレスを放った。
バターン、
由衣:ぐふぅ、
見事に決まるとそのままフォールに入る梓。
『ワン、ツー、スリ、』
由衣はギリギリのところで何とか返すが、ダメージが大きく動けずに汗をびっしょりとかいて肩で息をしている。
梓:だらしないわね、一気に決めるわよ。
梓は由衣の髪の毛を掴むと起き上がらせてブレーンバスターの体勢に入るが、体格差が無いだけに由衣が踏ん張ると簡単には持ち上がらない。
すると由衣は息を吹き替えしたのか、梓のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュ、
梓:うぐぅ、
梓は踞るが、今度は正当な膝蹴りなだけに試合は続けられる。
由衣は素早く梓の頭を腕で抱えるとDDTでマットに叩きつけていった。
バーン、
頭を抱えて痛がる梓。
由衣は梓の上に跨がるとキャメルクラッチをかけていった。
体力を削られる梓。
由衣:さっきまでの威勢はどこにいったの?
煽る由衣。梓は締め上げられて苦しそうな表情をしている。
由衣は梓の体力を削ると一旦解放してから逆エビ固めをかけていった。
連続攻撃に苦悶の表情を浮かべる梓。
由衣:もう苦しいんでしょ、タップしなさいよ!
梓:嫌~~、
梓は由衣の問いかけに首を振ると何とかロープに手をかけた。
『ロープ』
ロープブレイクがかかると梓を離す由衣だが、表情には少し余裕が出てきた。対照的に梓は喘ぎながら汗をびっしょりかいてマットに這いつくばったまま動けない。
由衣は梓の髪の毛を掴んで、起き上がらせるとパイルドライバーの体勢に入った。梓は踏ん張れずに体を逆さ吊りにされると頭から叩きつけられた。
ガン、
鈍い音がするとぐったりと倒れる梓。
由衣はフォールに入った。
『ワン、ツー、スリ、』
試合が決まりかけたが、梓はギリギリのところで返した。
由衣:チッ、しぶといわね。
由衣はそう言うとグランド状態のまま卍固めをかけていった。
逃げ場が無く、悶える梓。
観客は由衣の完成度の高い技に驚いている。
由衣:生意気な口利くなら私の技から脱け出してみなさいよ!
梓は由衣にそう言われるが、ガッチリと極った卍固めに逃げ場が無く、喘ぎ声をあげるだけになっている。
脱け出せずに体を震わせる梓は口をパクパクさせて口から泡を吹き出すと遠退く意識の中、屈辱のギブアップを口にした。
梓:ギ、ギブ、アップ、
梓のギブアップにレフリーはゴングを要請した。
『カーンカーンカーン』
『勝者:市河由衣』
由衣は地下リング初勝利に喜びを爆発させている。
今まで勝ちが無かったものの美形からか観客の人気が高く初勝利を祝う声援が飛び交っていて由衣は手を振って応えている。
一方の梓は試合が終わって解放されてもダメージからか中々起き上がれず、マットに這いつくばったまま後輩の由衣に負けた事を悔しがっている。
梓:ぢぐしょー、
梓は涙を流しながらマットを叩くとセコンドに抱き抱えられてリングを後にした。