《香西里奈VS大田雄太》
体にダメージを負いながらも大田雄太の前に立つ里奈。
===敵データ===
名前:大田雄太
身長:192cm
体重:115kg
年齢:33歳
専門種目:アルティメットバトル
職業:格闘技ジム館長
性格:喧嘩好き
趣味:喧嘩
体格:筋骨隆々
=============
安西勉:里奈、コイツはさっきまでの奴等とは格が違うぞ。気をつけるんじゃ。
香西里奈:わかってるわ。全力でやるわよ。
里奈に注意を促す安西勉。
大田雄太:もうボロボロじゃねえか。我が門下生は中々優秀だろ。
香西里奈:ハア、ハア、随分保険かけるのね。さあ、やりましょう。
里奈はスタミナに不安があるので、一気に勝負を決めようといきなりハイキックを打っていった。
しかし、易々と避ける大田雄太。
香西里奈:私のキックが簡単に避けられるなんて。
大田雄太:当たり前だろ。我が門下生の攻撃のおかげで貴様の脚は想像以上に弱っている。加えてこの砂浜、キックが出しにくいにもかかわらず、キックに頼るとは余程勝負を焦っているのかそもそもキックしか攻め手がないのか。
体格に似合わず冷静に分析する大田雄太は里奈の顔面にクイックネスなパンチを打っていった。
バキィ、
里奈:あう、
反応できずにまともに喰らって思わず鼻を押さえる里奈。
大田雄太:フン、大した事無いな。得意の打撃でこのレベルとは。
大田雄太はそう言うと里奈の顔面にパンチを打ってきた。里奈はガードして対応するとパンチを返そうとするが、拳を握ろうとすると長いネイルが邪魔をして握ることが出来ない。
仕方なく張り手で打ち返す里奈。
バシ、バキィ、バシ、バキィ、
拳で殴る大田雄太に対して、張り手の里奈。威力は明らかに違っていて大田雄太が押し込んでいく。
顔を殴られる里奈は頬を紅潮させている。キックを繰り出せずに状況を打開できない里奈は苦戦を強いられている。
大田雄太:なんだ、なんだ、全然殴り返してこねえじゃねえか。
香西里奈:クソッ、こんな事になるなんて・・・
余裕の表情を見せる大田雄太。
バキィ、
大田雄太のフック気味のパンチが里奈の顎にヒットすると里奈はふらついている。
新藤麗子:里奈さん!!
ふらつく里奈。すると大田雄太はタックルで倒しにかかった。キックボクサーの里奈は対応出来ずに倒されてしまった。
グランドでの攻防になるが、里奈はここでも経験の差からか後手を踏むとマウントポジションを奪われてしまった。
大田雄太:ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、顔をボコボコにしてやるぜ。
大田雄太は里奈の顔面にハンマーパンチを振り落としていく。
バキ、バキ、バキ、
大振りにならずにコンパクトな振りで里奈の顔面に確実にダメージを与えていく。
大田雄太:もうダメなんじゃねえか?
香西里奈:喋りすぎよ、ここからならキックをヒットさせれるわ。
里奈は膝蹴りを大田雄太の背中にぶつけていった。
ドカ、
大田雄太:んがぁぁ、
背中を蹴られて呻き声をあげて倒れ込む大田雄太。
里奈は解放されるが、ダメージからかすぐに動けない。
互いにふらつきながらもファイティングポーズをとる大田雄太と里奈。
里奈は得意のスタンディングから仕切り直しとなるが、キックが使いにくく拳も握れない。
大田雄太:ハア、ハア、どうだ?打撃でも貴様に勝ち目は無いぞ。
香西里奈:舐めてもらっちゃ困るわね、私はパワーファイトも出来るのよ。ここは小細工無しで、力で勝負しない?
大田雄太:面白い、乗ってやろう。
指と指を絡み合わせる里奈と大田雄太。
ギャラリーも固唾を飲んで見守っている。
渾身の力を込めて押し合う里奈と大田雄太。体格では大田雄太が勝っているが、里奈も脚にパワーが残っている様で、踏ん張っている。
香西里奈:(このまま掴み合った状態で膝蹴りをボディに入れてやるわ。)
里奈は大田雄太が押しにきたところを逆に体を引き付けて膝を入れようと狙っている。
大田雄太:フン、貴様の狙いはどうせ膝でボディだろ。
香西里奈:!
大田雄太は里奈の攻撃を読んでいた様で、体は近付けずにヘッドバットを里奈の額に叩きつけていった。
ガンッ、
香西里奈:あああぁぁぁ~~~~、
激痛に悲鳴をあげる里奈。
大田雄太は力が抜けた里奈の背後に回り込むとスリーパーをかけていく。
香西里奈:しまった・・・
大田雄太の太い腕が里奈の首に巻きつくと里奈は脱け出す術がない。悔しいが、堪らずタップする里奈。
しかし、大田雄太はスリーパーを離さない。
香西里奈:なん、で、タップ、して、、るのに、
大田雄太:ハッ、ハッ、ハッ、これがアルティメットバトル。ギブアップは無し。相手が力尽きるまで続けられる。
高笑いする大田雄太。里奈は顔を蒼白くさせて体を震わせている。
安西勉:なんて非道な、やめるんじゃ!
新藤麗子:会長待って、私が行くわ。
飛び出そうとする安西勉を新藤麗子は制した。
安西勉:麗子、お前じゃ敵わんぞ。
新藤麗子:分かってるわ。でも、会長を前に出すわけにはいかないわ。
麗子はそう言うと大田雄太に向かっていった。
《新藤麗子VS大田雄太》
大田雄太の前に立つ麗子。
新藤麗子:里奈さんを離しなさい、私が相手よ。
大田雄太:なんだ?悪いがお前じゃ相手にならんぞ。何しろ我が門下生にも馬乗りになられ、ノックアウトされるレベル。その証拠にもう顔が可哀想な事になってるじゃないか。
新藤麗子:馬鹿にするんじゃないわよ、私はあんたに勝つ。その為には女を捨てる覚悟があるわ。私と殴り合いましょう。
大田雄太:面白い女だ。やってやろうじゃないか。
大田雄太はそう言うと里奈を解放して新藤麗子と向かい合った。
ファイティングポーズをとる麗子と大田雄太。
麗子は里奈と違って拳をしっかり握っている。一方、大田雄太は表情からも余裕が伺える。
麗子は先に仕掛けようとパンチを打っていくが、大田雄太は避けると麗子の顔面にパンチを打っていった。
バキィィ、
麗子:あああぁぁぁ~~~
一撃喰らっただけで、悲鳴を上げて泣きそうな表情になる麗子。
麗子は戦う前に持っていた自信も打ち砕かれている。
大田雄太:スピード、パワー、並以下。所詮女はこんなものだな。
麗子はハードパンチを恐れてガードを固めているが、大田雄太は正面から接近してきた。
ボクシングスタイルから強烈なパンチを繰り出す大田雄太。麗子も必死に対応しようとするが、大田雄太が言う通りスピードもパワーも全てにおいて大田雄太が上回っていて麗子は顔面をボコボコに殴られている。
バキィ、バシィ、バキィ、
元々鼻血を流していた麗子だが、一層酷くなり顔も腫らしている。麗子は次第にガードも下がって殴られるだけになる。
バキィ、バキィ、バキィ、
麗子:ああぁん、
耐えきれなくなった麗子は崩れ落ちそうになるが、大田雄太は無慈悲にも許さずに麗子の髪の毛を掴んで立たせている。
ストレス解消用のウサギの人形の様になる麗子。
大田雄太:生意気な口利いてたから、ちょっとばかりお仕置きしないとな。
新藤麗子:(強すぎる・・、私が時間も稼げないなんて。里奈さんはこんな化け物と戦ってたの。)
バキィ、バキィ、バシィ、バキィ、
大田雄太のパンチが無抵抗な麗子の顔面にヒットする度にギャラリーが耳を塞ぎたくなる様な鈍い音が鳴り響くが、誰も恐くて大田雄太を止める事が出来ない。
新藤麗子:(助けて、殺されちゃう・・・)
勝気な麗子も目に涙を浮かべている。
バキィィ、
大田雄太:んがぁ、
香西里奈:ハア、ハア、ハア、
意識を取り戻して起き上がった里奈が後ろから大田雄太の後頭部をハイキックで叩いていった。
目を虚ろにさせて倒れる大田雄太。里奈は解放された麗子を抱き抱えた。
ブラックデビルズA:後ろからハイキックとはなんて卑怯な。
香西里奈:男8人がかりで女2人と戦う方が卑怯だわ。
里奈はまだ体力が回復させていないが、ブラックデビルズの門下生と対峙している。
すると、程なくして大田雄太が立ち上がってきた。
大田雄太:おい、下がれ。
門下生を下げさせる大田雄太。
大田雄太:まあいいだろう。痛み分けってところだな。ここにいる皆さんもブラックデビルズの強さを大いに見てくれた事だろう。
大田雄太は最後に不覚をとったものの、ライト・キックを圧倒出来たと満足している。
香西里奈:待ちなさい、このままでは終わらせないわ。今度、私がそっちのジムに行くわ。アルティメットバトルで戦いましょう!
里奈はギャラリーに不甲斐ないところを見せてしまいライト・キックの看板に泥を塗ってしまったと感じてか大田雄太に挑戦状を叩きつけた。
大田雄太:ほお、面白い。またヤラレに来るのか、本物のアルティメットバトルではこんなものでは済まんぞ。
香西里奈:100%の私がどれほど強いか見せてあげるわ。良かったらここにいる皆さまも招待しましょう。
強気な里奈。ギャラリーも里奈の呼びかけに盛り上がっている。
ギャラリーA:絶対見に行くぞ!里奈さんが勝つに決まってる。
ギャラリーB:里奈さんのハイキックが炸裂するぞ!
一様に里奈に期待をかけるギャラリー。
しかし、大田雄太は余裕の表情を浮かべたまま門下生に合図を送ると引き揚げた。
一方の里奈も麗子を抱いて帰った。捲土重来を誓う里奈。