最多の開催回数を数えるKー1ビューティーマックスが開催される。
参加選手は香理奈、朝日奈彩、蒼野楓、金城麻央、北河景子、能勢えれな、岡多智子、坂井あゆみがビキニ姿でリングに出てきた。
過去にKー1ビューティーマックス優勝経験者の蒼野楓に現Kー1ベルト女王の朝日奈彩、最近プロレスの試合に出場している金城麻央等もいるが、やはり先日憎きジゼルブンチャンを倒した香理奈に一番声援が集まっている。
リング内で火花を散らしながらボックスに入ったボールを取っていくと続々と対戦カードが決まっていく。
朝日奈彩VS蒼野楓
能勢えれなVS岡多智子
金城麻央VS坂井あゆみ
香理奈VS北河景子
に決まった。
観客待望の香理奈の試合は第4試合までお預けとなったが、第1試合から朝日奈彩VS蒼野楓の黄金カードに場内は盛り上がっている。
第1試合
他の6人が一旦、控室に戻るとリング内は第1試合を戦う彩と楓が残った。
前回対戦時には彩がKOで勝っており、楓にとってはリベンジの舞台となる。
両者はビキニの上を外してトップレスになるとグローブを装着して準備している。
『赤コーナー 171cm 80-58-83 朝日奈彩~』
赤のグローブに黒のパンツを履いた彩は手を上げながらコールに応えている。Kー1ベルト女王の彩としてはKー1ビューティーマックスも優勝して2冠を狙っている。
『青コーナー 169cm 82-58-86 蒼野楓~』
楓は青のグローブに青のパンツを履いている。楓はこの大会の優勝を目指して相当トレーニングを積んできた様で、気合いの入った表情をしている。
彩:前は年下の私に負けて、表の世界でも裏の地下リングでも私の方が上みたいね。
楓:この前はマグレよ。今日は私の本当の力を見せて上げるわ。
試合前から言い合う彩と楓。
『カーン』
ヒートアップする中、ゴングが鳴ると試合が始まった。
ファイティングポーズをとって向かい合う彩と楓。
彩はキックボクシング、楓は空手をしているという事で、互いに一撃の威力を警戒して慎重な立ち上がりになっている。
睨み合いながらジャブを打ち合う楓と彩。
距離が詰まると楓がミドルキックを彩のボディに打っていった。
バシッ、
するとこれが合図になったのか彩がパンチを楓の顔面に打ち返していくと激しい打撃の応酬になっていく。
バシィ、バキィ、バシッ、バキィ、
急にテンポが上がって盛り上がる場内。
速く強烈な打撃の打ち合いになっている。
バキィ、バシッ、バシッ、
やはり両者共にキックが得意な様で、キックが中心になっている。
バシッ、
彩のミドルキックが楓のボディにヒットすると一瞬動きが止まる楓。
すると彩は楓のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュ、
楓:あうぅ、
呻き声をあげて倒れそうになる楓だが、踏ん張ると彩に抱きつく様にクリンチして難を逃れた。
彩:偉そうな事言ってたけど、もうきついんじゃないの?
彩に嘲笑われるが、楓は言い返す事が出来ない。
『ファイト』
試合が再開されると彩は一気に試合を決めようと距離を詰めて楓に襲いかかる。
彩は楓のボディにミドルキックを打っていくが、楓は避けると彩が体勢を崩したところで、カウンターのパンチを彩の顔面に打っていった。
バキ、
楓の反撃に面喰らう彩。
すると楓は右ストレートを彩の鳩尾に打ち込んでいった。
ドス、
彩:グエェッ、
息が詰まって苦しい表情になる彩。
楓は彩の側頭部にハイキックを打っていくが、彩も何とかガードして防いでいる。
しかし、楓のキックの威力に圧されて彩はコーナーを背にしている。
楓は彩の顔面に左右のワンツーパンチを打っていった。
バシ、バシッ、
彩は楓が繰り出す多彩な攻撃に対応出来ずに追い込まれている。
楓は彩がガードするだけになっているので、パンチを連打していく。
バシ、バシ、バキィ、
表情を歪める彩だが、ここで1ラウンド終了を告げるゴングが鳴った。
『カーン』
楓はゴングが鳴ると手応えがあったのかガッツポーズをしながら充実した表情で自陣コーナーへと引き揚げていった。
一方の彩はグローブをコーナーに叩きつけて悔しそうな素振りを見せている。
彩はびっしょりとかいた汗をセコンドに拭いてもらいながら2ラウンドでの逆襲を誓っている。
『カーン』
2ラウンドが始まるとダメージが大きいはずの彩が前に出てくると楓の側頭部にハイキックを打っていった。
しかし、楓は冷静に避けるとカウンターのパンチを彩の顔面に打っていった。
バシィ、
顔を殴られて後退を余儀無くされる彩。
楓は攻め込もうと追いかけるとハイキックを打っていくが、彩は避けると逆にカウンターのパンチを楓の顔面にヒットさせていった。
バキィ、
彩のパンチにふらつく楓。
すると彩は楓の太ももにローキックを打っていった。
バシィ、
彩の鋭いローキックに動きが止まる楓。
彩は再び楓の側頭部にハイキックを打っていった。
バキィ、
楓:んん、
楓はガードしきれずに彩の強打を喰らうとロープ際まで押し込まれている。
彩は1ラウンドの鬱憤を晴らすかの様に前に出ると楓の顔面にパンチを連打してラッシュをかけていく。
必死にガードして守る楓だが、脳裏には前回敗れた嫌な記憶が過っている。
彩は楓のボディに膝蹴りを打っていくが、楓が先に彩のボディにパンチを打ち込んでいった。
ドス、
彩:ううぅ、
不意にボディにパンチを喰らって呻き声をあげる彩。
楓はその間にロープ際から抜け出して、体勢を立て直している。
彩も苦しそうな表情を浮かべていたが、ファイティングポーズを取り直すと両者はリング中央で向かい合っている。
楓は彩の側頭部にハイキックを打っていくと彩はガードして防ぐが、ガードの上からでも威力があるハイキックに動きを止められている。
楓は今度は彩のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュ、
彩:あうぅ、
苦悶の表情を浮かべる彩。
楓は彩の顔面にパンチを打っていくと彩も楓の顔面を殴り返すと打撃戦になっていく。
バキ、バシ、バキィ、バシッ、
激しく顔面を殴り合う楓と彩。
楓は口唇を切っているが、彩も目の上を腫らしている。
1ラウンドからのダメージの蓄積からか彩が表情を歪めると楓は再び彩のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュ、
彩:あうぅぅぅ~~~、
お腹を青紫色に変色させて悶絶する彩。
楓は動きが止まった彩の顔面にパンチを打っていく。
バキィ、
顔面を殴られてふらつく彩。
楓は更に彩の側頭部にハイキックを打っていった。
バキィ、
彩はガードするもガードの上からでも威力があるハイキックにダメージを受けている。
立て続けに頭部に打撃を受けた彩はコーナーに追い込まれている。
楓は追いかけていくと彩の顔面にパンチを連打していく。
バシッ、バシィ、バシッ、
必死にガードを固める彩だが、顔面に強打を受けて目を虚ろにさせて鼻血を吹き出している。
彩の顔面をボコボコに殴る楓。
グロッキーな状態に追い込まれる彩。
空手仕込みの楓のラッシュに彩は苦しそうな表情を浮かべている。
彩は顔を守ろうとガードしているが、楓は見透かしたかの様に、彩のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュュュ~~、
彩:あうぅぅぅ、
楓の膝で既に青紫色に変色したボディを抉られて彩はマウスピースを吐き出して黄色い胃液の様な液体を吐いている。
盛り上がる場内。
楓のガードが完全に下がった彩の顔面にアッパーカットのパンチを打っていった。
バキィィ、
楓の一撃に力無く倒れた彩は起き上がる事が出来ない。
『カーンカーンカーン』
10カウントが数えられる前にゴングが鳴らされた。
彩は意識を飛ばしてうつ伏せに倒れている。
『勝者:蒼野楓』
激闘の末にリベンジを果たした楓はガッツポーズで声援に応えている。
観客もKー1ベルト女王の彩が圧倒される姿に楓の力を再認識する結果となった。
彩は自力で立ち上がる事が出来ず、担架で医務室へと運ばれたのとは対照的に楓は悠々と花道を歩いて控室へ引き揚げた。