第4回クイーンカップの1回戦と2回戦の間にエキシビジョンマッチが組まれている。
対戦カードは麻尾美和と青樹愛の元アスリート対決でKー1ルールで行われる。
『赤コーナー 172cm 83-62-86 麻尾美和~』
美和は褐色の肌がよく映える白のグローブに白のパンツで出てきた。
『青コーナー 173cm 85-60-83 青樹愛~』
愛は黒のグローブに黒のパンツで登場してきた。
対角線のコーナーから睨み合う両者は元アスリート対決とあって互いに負けられないと気合いが入っている。
観客もサイズがあって身体能力の高い両手とあってハイレベルな戦いを期待している。
『カーン』
ゴングが鳴るとファイティングポーズをとって構える美和と愛。
美和は素早くジャブを繰り出すと愛も軽いフットワークからローキックを繰り出していく。
すると美和は間合いを測ってハイキックを打っていった。
しかし、愛は避けるとカウンターのパンチを美和の顔面にヒットさせていく。
バシ、
ガードする美和だが、ガードの上からでも破壊力のあるパンチに驚いている。
愛は続けて美和の顔面にパンチを打っていくが、美和もミドルキックを打ち返していった。
バシッ、バシッ、
激しく打ち合う両者は徐々に距離を詰めるとよりオープンな打ち合いになっていく。
バシィ、バシィ、バシッ、バキィ、バシィ、
愛も美和も破壊力には自信がある様で、先に相手を倒そうと強烈な打撃を打っていく。
互いに元アスリートとあって筋肉質なボディーをしているが、強い打撃を喰らって表情を歪めている。
美和は元ビーチバレー選手とあってパンチを中心に攻めているが、愛も最近習っているキックボクシングを活かしたキックで攻撃していく。
バシッ、バキィ、バシィ、
互角に打ち合う両者に場内は盛り上がっている。
バシィィ、
美和:んん、
愛のキックが美和の肩口にヒットすると美和は呻き声を上げている。
愛は更に一瞬動きが止まった美和のボディーにミドルキックを打っていった。
ボシュ、
美和:あうぅぅ、
ボディーを打たれてマウスピースを吐き出す美和。
愛は踞りかけている美和にパンチを下から突き上げてボディーを抉っていく。
バシ、ドス、
美和:ああぁぁ~ん、
情けない悲鳴を上げながら座り込む様にしてダウンする美和。
悔しそうに愛を見上げる美和に対して、勝ち誇る愛。
愛:あんた、腹筋割れてるとか言ってたけど、ぷにゅぷにゅしてたわよ。全然鍛えられて無いわね。
美和を馬鹿にする愛。
美和はグローブでリングを叩くと怒りの形相で立ち上がってきた。
『ファイト』
試合が再開されると猛然と愛に向かっていく美和。
しかし、愛は冷静に待ち構えると再びミドルキックで美和のボディーを蹴っていった。
バシィ、
美和:あぁぁ~~、
愛は美和のボディーに照準を絞っている。
いつの間にかコーナーに追い詰められる美和。
愛は美和のボディーを膝蹴りで串刺しにしていった。
ボシュュ~~、
美和:うげぇぇ~~、
愛:やっぱり全然ダメじゃない。エキシビジョンじゃなかったらもうちょっと痛めつけてあげるんだけど、エキシビジョンだから早目に切り上げるわよ。
愛はそう言うと美和のボディーにパンチを打って更に弱らせると再び膝蹴りを美和のボディーに打ち込んでいった。
ボシュュ~~、
美和:んあぁぁ~~~~、
必死に腹筋を入れて耐えていた美和だが、愛の膝蹴りで突き破られると悲鳴を上げて崩れ落ちた。
『カーンカーンカーン』
お腹を抱えてリングに這いつくばる美和を見下す愛。
『勝者:青樹愛』
愛は観客の歓声に上機嫌で応えている。
愛:これがトップアスリートと二流の差よ。私と戦いたいんならちゃんと鍛えてから来なさい。
格の差を見せつけた愛は美和にそう言い残すとリングを去っていった。
一方の美和は愛の屈辱的な発言にも言い返す事が出来ずに泣きそうな表情で、リングに這いつくばっているとようやく黒服に肩を貸されて控室へと戻っていった。