西軍の勝利が決定した第10回Kー1ビューティーマックスだが、第7試合が予定通り行われる。
一矢報いて意地を見せたい東軍と勝利で花を添えたい西軍。
『赤コーナー 163cm 霧谷美玲~』
『青コーナー 166cm 能勢あんな~』
美玲は赤、あんなは青のグローブとパンツで登場してきた。
見事なモデル体型のあんなに対して美玲はスレンダーボディーに似つかわしくない豊満なバストで場内を沸かせている。
『カーン』
ゴングが鳴るとファイティングポーズをとって構える美玲とあんな。
互いにジャブを打ちながら間合いを測るとあんなはハイキックを打っていった。
しかし、美玲は避けるとカウンターのパンチをあんなの顔面に打っていった。
バシィ、
美玲の鋭いカウンターパンチに表情を歪めるあんな。
美玲は畳み掛けようとするが、あんなも前蹴りで距離をとって許さない。
キックボクシングを習っているあんなのキックに苦労する美玲。
あんなは一旦距離をとって落ち着くとミドルキックを打っていくが、美玲はガードして防いでいる。
美玲は接近戦で勝負したいからと距離を詰めるとあんなも迎え撃つ。
バシ、バシ、
パンチを打ち合うあんなと美玲。
パンチ力は互角の様で、警戒し合う両者。
ガードを固めるあんなに対して美玲はガードを固めながらも攻撃の機会を伺っている。
するとミドルキックを打つ美玲。
しかし、あんなはガードして防ぐとパンチを美玲の顔面に打ち返していく。
あんなのパンチを嫌がる美玲は後退して逃げるとあんなも積極的には追いかけないので、一旦大きく距離が離れる両者。
美玲は体勢を立て直すと再び距離を詰めていくとあんなもファイティングポーズをとって構えている。
美玲がパンチであんなの顔面を狙っていくとあんなもミドルキックを打っていく。
均衡状態が続くが、額に汗を浮かべる両者。
あんなはキックで勝負しようと気合いを入れてミドルキックを打っていった。
バシィ、
ヒットすると体を捩らせる美玲。
あんなは更に美玲のボディーに膝蹴りを打っていく。
ボシュ、
美玲:あうぅ、
あんなの膝が美玲のボディーを抉ると美玲はお腹を抑えてマウスピースを吐き出した。
『カーン』
更に攻めたいあんなだったが、ここで1ラウンド終了のゴングが鳴った。
静かな1ラウンドだったが、終了間際に試合が動き出して観客も2ラウンドに向けて期待が高まっている。
あんなと美玲はそれぞれ自陣コーナーに戻るとセコンドにタオルで汗を拭いて貰いながら2ラウンドに備えている。
『カーン』
両者がリング中央に戻ると2ラウンド開始のゴングが鳴らされた。
ファイティングポーズをとって構えるあんなと美玲。
あんなは1ラウンドでキックでの攻撃が上手くいったので、2ラウンドもキックで攻めようとミドルキックを打っていくが、美玲も警戒していたのかガードして防ぐと逆にカウンターのパンチをあんなの顔面にヒットさせていった。
バキ、
顔を殴られて一瞬動きが止まるあんな。
美玲はミドルキックを打っていった。
バシィ、
あんなの得意のキックで攻める美玲。
あんなは美玲のミドルキックをボディーに喰らうと踞りかけている。
チャンスと見た美玲はあんなの顔面にワンツーパンチを打っていった。
バシ、バシィ、
パンチを顔面に喰らって頬を紅潮させるあんなだが、ダウンはせずに耐えると美玲はふらついているあんなの顔面にハイキックを打っていった。
しかし、あんなは間一髪で避けるとカウンターのフック気味のパンチを美玲の頬にヒットさせていった。
バシ、
あんなのパンチを受けてふらつく美玲。
一気にいきたいあんなだが、ダメージが大きくすぐには攻めれない。
あんなが体勢を立て直している間に美玲も持ち直してきた。
一進一退の攻防に盛り上がる場内。
両者はファイティングポーズをとって向かい合うと美玲が先にあんなの顔面に打っていくが、あんなもガードして防いでいる。
するとあんなはミドルキックで美玲のボディーを蹴っていく。
バシィ、
美玲:うぅぅ、
やはりあんなのミドルキックは強力な様で、美玲が表情を歪めているとあんなは効いていると見て、もう一発ミドルキックを打っていった。
ボシュュ~~、
美玲:ああぁぁぁ~~~、
動きが止まった美玲にクリーンヒットするあんなのミドルキック。
美玲は内臓を直接蹴られた様なキックに悲鳴を上げている。
美玲:あぁ、お腹が、
お腹を抑えて泣きそうな表情になる美玲。
あんなはグロッキー状態になった美玲の顔面にアッパーカットで突き上げていった。
バキィ、
フラフラになってコーナーにもたれ掛かる美玲。
本来ならばここでダウンをとるところだが、試合が続けられていくとあんなは美玲のがら空きになったボディーに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュュ~~~、
美玲:うげぇぇぇ~~、
美玲は目を見開くと黄色い胃液の様な液体を吐き出して崩れ落ちた。
『カーンカーンカーン』
美玲に起き上がる気配が無いので、ゴングが鳴らされた。
『勝者:能勢あんな』
既に勝利を確定させている西軍だが、あんなは自らの勝利で有終の美を飾れたと喜んでいる。
一方の美玲は口元をグローブで抑えながら涙を流しながら座り込んでいる。
東軍の菜々央と笹木希が美玲の両肩を支えると場内から去っていった。
対照的にリング内では西軍の歓喜の輪が広がった。
控室で治療していた田中麗菜もリングに戻って7人全員で喜びを分かち合っている。
程なくして主催者がトロフィーを持ってリングに入ってくると第1試合で勝利した香理奈が代表して受け取った。
香理奈がトロフィーを高々と掲げると歓声が沸き起こっている。
西軍の女優はしばらく観客と勝利を祝福し合うと盛り上がりが冷めないままリングを去っていった。
これから夜通し宴会をする様だ。
こうして第10回Kー1ビューティーマックスの東西対抗戦は5勝2敗で西軍の勝利で幕を下ろした。