第4試合
第9回Kー1ビューティーマックスの一回戦最終試合は藤原紀華VS戸多恵梨香の試合となった。
久しぶりのKー1ビューティーマックス参戦となった藤原紀華は2回目の優勝に向けてコンディションは万全の様だ。
『赤コーナー 171cm 88-60-89 藤原紀華~』
紀華は赤のグローブに黒のパンツを履いて登場してきた。
この試合に向けて肉体を作り上げてきたというのは本当の様で、見事に仕上がっている。
『青コーナー 163cm 75-57-78 戸多恵梨香~』
恵梨香は青のグローブに黒のパンツを履いて出てきた。
紀華は余程自信があるのか恵梨香が登場するや否や挑発していく。
紀華:最近の若い子は恥を知らないのね。そんな貧相な肉体をお客さんに堂々と見せて。
恵梨香:うるさいわね、おばさんの体なんて誰も見たくないわよ。
逆に返していく恵梨香。
舌戦がヒートアップしそうになるが、ゴングが鳴った。
『カーン』
開始早々から前に出てきて仕掛ける紀華。
恵梨香も売られた喧嘩は買ってやるとばかりに応戦すると早くも殴り合いになっていく。
バシ、バシィ、バシ、
喧嘩マッチの様相を呈していく。
顔面を殴り合う紀華と恵梨香。
すると早くも紀華は口唇を切って流血している。
恵梨香も紀華の重たいパンチを受けて顔に痣を作っている。
一歩も退かない恵梨香と紀華。
恵梨香は40半ばのおばさんに負けられないと思っているし、紀華も若い小娘には負けられないと互いに意地の張り合いになっている。
バキィ、
恵梨香:あうぅ、
紀華のパンチが恵梨香の顔面にクリーンヒットすると恵梨香は鼻血を吹き出した。
苦しそうな表情になる恵梨香だが、負けん気の強さで紀華の顔面を殴り返していく。
バシ、バシ、バシィ、
激しく殴り合う紀華と恵梨香。感情を剥き出しにしてキックを使わずにパンチだけで戦っている。
恵梨香の鼻血が酷くなっているが、紀華も瞼の辺りを腫らしていて視界が遮られている。
バシィ、
恵梨香のパンチが紀華の頬を捉えると紀華はふらついている。
恵梨香はチャンスと見て攻め込もうとするが、紀華のパンチがすぐに飛んできた。
慌てて避ける恵梨香だが、紀華のタフさに驚いている。
一旦落ち着こうとミドルキックで距離をとろうとする恵梨香だが、紀華は強引に前に出てきて恵梨香の顔面にパンチを打っていくと再び息つく間もなく殴り合いになっていく。
バキ、バキ、バシィ、
鈍い音も響く様になる。
激しい消耗戦になっていくと体格差から紀華に圧力をかけ続けられて恵梨香が辛くなってきた。
恵梨香:ハアハア、
呼吸が荒くなってきた恵梨香は堪らず紀華に抱き付いてクリンチで間を取った。
恵梨香:ハアハアハアハア、
紀華:若いのにもう生きを切らしてだらしないわね。
紀華は抱き付いて恵梨香の息遣いからかなり苦しいのが手に取る様に分かる。
逆に恵梨香は紀華がそれほど疲れて無い事に焦っている。
『ファイト』
試合が再開されると飛び膝蹴りで襲いかかる紀華。
紀華の勢いに押される恵梨香。
紀華は勢いに任せて恵梨香の顔面にパンチを打っていくと恵梨香は体力的にも精神的にも辛くなってきたのかガードを固めて防戦一方になっていく。
バシ、バシ、
何とかガードを固めてカウンターの機会を伺う恵梨香だが、紀華のパワフルなパンチを前にコーナーに追い詰められて逃げ場が無くなってしまっている。
バシィ、
紀華の左ストレートを喰らった恵梨香は鼻血を酷くさせて動きも鈍くなってきた。
ガードも下がって顔をボコボコにされる恵梨香。
既に白目を剥いて意識を飛ばしている恵梨香だが、コーナーにもたれ掛かる様にしてまだ立っているので構わず殴り続ける紀華。
バシィ、バキ、バキィ、
『カーンカーンカーン』
恵梨香が失神している事にようやく気付いたレフリーが試合を止めるとゴングが鳴った。
『勝者:藤原紀華』
完勝にガッツポーズをする紀華。
観客も紀華の豪快なKO勝利に立ち上がって声援を送っている。
紀華は観客の声援に応えるとコーナーに座り込んでいる恵梨香の顔面を足の裏で踏みつけるとだらしなく開いている口に足の親指を突っ込んでいった。
強さを見せつける紀華。
恵梨香は屈辱に塗れているが、顔面を崩壊させられての敗戦に為す術が無い。
紀華は最後に足の裏でグイッと恵梨香の顔面をコーナーポストに押し付けるて貫禄たっぷりに控え室に戻っていった。