2連勝中の青樹愛が3連戦を志願して行う第5試合の相手は女優の長沢まさみだ。
愛はこの試合に勝てば、3連勝となり優勝が決まるが、前の試合以上にコンディションが気になる。
『赤コーナー 168cm 長沢まさみ~』
まさみは黒のビキニで登場してきた。
相手が愛という事で少し緊張はしているが、それでもトップ女優として恥ずかしくない試合をしようと意気込んでいる。
『青コーナー 173cm 青樹愛~』
白のビキニの愛は流れ出る汗をタオルで拭いながら待ち構えている。
『カーン』
ゴングが鳴ると両者はリングを静かに旋回しながらタイミングを測ると慎重に指と指を絡み合わせていく。
リング中央で力比べになると力を込めて押し合う愛とまさみ。
するとここは愛がまさみを押し込んでいった。
愛は3連戦でも力がまだまだ残っている事を観客に証明しようとまさみの背中をロープに押しつけていく。
『ロープ』
余裕が無くなりまさみの表情が険しくなるとロープブレイクがコールされた。
愛がクリーンにまさみを放すと一旦距離をとる両者。
まさみは女優の中ではフィジカルのある方だが、元トップアスリートの愛が相手ではパワー勝負は分が悪いと感じている。
再びリングを旋回しながら様子を見合う両者。
愛は間合いを測ってハイキックを打っていくが、まさみは避けると愛がバランスを崩したところをタックルで倒していった。
愛は踏ん張れず、仰向けに倒されてしまった。
まさみは素早くサイドポジションを奪うとわき腹に膝蹴りを打ち込んでいく。
ボシュ、
愛:ううぅ、
筋肉が無い場所を突かれて悶絶する愛。
まさみは効いていると見て続けていく。
ドス、ボシュ、
愛:あぁ、あうぅ、
逃れようと抵抗する愛だが、まさみに押さえつけられて膝蹴りを喰らうと口をパクパクさせて声を漏らしている。
滝のように汗を流す愛は明らかに体力を消耗させていて、何とか体を動かしてロープに辿り着いた時にはぐったりとしていた。
『ロープ』
まさみはロープブレイクがかかるとすぐに愛の髪の毛を掴んで起き上がらせるとブレーンバスターの体勢に入った。
しかし、愛も掴み返してくると逆にブレーンバスターで投げようとしている。
リング中央でブレーンバスターの投げ合いになると場内は盛り上がっている。
力勝負に投げ勝ったのは愛で、まさみをリフトアップすると勢いよく叩きつけていった。
バターン、
パワーを見せつけた愛は疲れながらも誇らしげな表情をしている。
愛はコーナーによじ登ると観客にアピールしてからフライングボディプレスを放った。
バターン、
愛のボディがまさみにのしかかって決まるとそのままフォールに入った。
『ワン、ツー、スリ、、』
決まったかに思えたが、まさみがギリギリのところで肩を上げて返すとカウントは2で止まった。
愛:ハア、ハア、
愛はフォールを返されて少し息をついてから立ち上がるとまさみを起き上がらせてロープに振ると返ってきたところをラリアットで迎撃しようとするが、まさみが加速すると逆にラリアットで愛を倒していった。
今度はまさみが豪腕を見せると観客にアピールしている。
まさみは仰向けに倒れる愛に四の字固めをかけていった。
リング中央で四の字固めをかけられて悶絶する愛。体勢を入れ替えようとするが、まさみがコントロールしていて許さない。
それでも愛は何とか粘るとロープに辿り着いた。
『ロープ』
ロープブレイクがかかり、まさみは技を解いたが、すぐに愛を掴まえるとリング中央に運んでDDTで顔面をリングに叩きつけていった。
ガァン、
リングに叩きつけられて頭を抑える愛。
まさみは更にフロントネックロックで愛の首を締め上げていく。
愛は頭を引き抜こうとするが、ガッチリと極っていて抜け出せない。
まさみは藻操き苦しむ愛の体を両脚でホールドして固定している。
レフリーは愛の状態を見に行くが、ぐったりはしてきているものの問いかけると人差し指を立てて試合続行をアピールしている。
技をかけるまさみの方が体勢をコントロールするのに疲れて技を解いてしまった。
愛:ハア、ハア、ハア、ハア、
愛は解放されたもののリングに突っ伏して動けない。
まさみ:ハア、ハア、しぶとい女ね。これならどう?
まさみも呼吸を荒くさせながらもそう言うと愛の上に跨がってキャメルクラッチをかけていった。
まさみは愛の体を反り返らせていくと愛は口をパクパクさせて苦しんでいる。
体から大粒の汗を流す愛。
まさみは愛の顎をガッチリとロックしていて愛の大量の唾液がまさみの手に滴っている。
観客も流石に愛がタップするだろうと予測していたが、愛は耐え抜くとロープに手を掛けた。
『ロープ』
ロープブレイクで何とか難を逃れた愛は呼吸を荒くさせているが、並大抵では無い精神力の強さを見せている。
愛:ハア、ハア、ハア、ハア、
まさみは完全に愛の首にターゲットを絞っていて起き上がらせると背後からスリーパーをかけていった。
愛にも劣らないサイズがあるまさみが背後からスリーパーで締め上げていくと愛はエルボーでまさみの側頭部を叩いて抜け出そうとするが、まさみは技を解かない。
愛が抜け出せずにいると遂にまさみに絞め落とされてしまった。
愛は腕がダラリと下がって白眼を剥いてしまった。
『カーンカーンカーン』
ここで、レフリーは愛が失神したとしてゴングを要請した。
『勝者:長沢まさみ』
まさみは技を解くと優勝候補本命の愛から奪った会心の勝利を喜んでいる。
観客も連戦の疲労があったとはいえ、愛が敗れた事に驚いている。
敗れた愛はダメージを受けても限界まで耐え抜いた代償からか失神して体を震わせており、担架で運び出された。
この試合では敗れたもののまだ2勝1敗と優勝に王手をかけた状態ではあるが、次の試合に向けてはダメージが心配される。
勝利したまさみは次の試合はこの試合のダメージが大きいからとキャンセルすると第5試合は7番の森崎智美と1番に戻って田中麗菜になるが、麗菜は初戦で敗れており、優勝の望みは薄いと辞退した為、1勝を上げている2番の白岩麻衣が登場する事となった。