先日、藤原紀華からKー1ベルトを奪取した瀧澤沙織の初防衛戦が行われる。
沙織が自らその相手に指名したのはシャーロットブレアーだ。
沙織としては前回の興行で自身のタイトルマッチではなく、シャーロットのエキシビジョンマッチがメインイベントになった事に腹を立てていて、その怒りをぶつけようと主催者に直談判すると主催者から「シャーロットはアメリカのリングでも別格に強いので、防衛すれば即殿堂入りさせる」との返答があり、思わぬ好条件を歓迎している。
『赤コーナー 176cm 瀧澤沙織~』
沙織は赤のグローブに白のパンツで登場してきた。
自慢の腹筋の上に堂々とベルトを光らせている。
『青コーナー 178cm シャーロットブレアー~』
シャーロットは青のグローブに青のパンツで出てきた。
たとえベルトが無くても"女王様"のシャーロットは花道から観客に向けてアピールすると場内を盛大に盛り上げている。
シャーロット:沙織、前回のタイトルマッチがメインじゃなかった事ヲ怒っているミタイネ。怒る必要はナイワ。何故ならワタシガ沙織を遥かに越えるスーパースターダカラヨ。
マイクパフォーマンスで更に観客を盛り上げるシャーロット。
沙織の怒りは沸点を越えていた。
沙織:ここは日本のリングよ。あなたの好きにはさせないわ。
沙織は短い言葉に決意を込めるとファイティングポーズをとった。
『カーン』
ゴングが鳴ると沙織は積極的に前に出てパンチやキックを浴びせていく。
強力な打撃の連打に押されてはいるが、シャーロットの筋肉の鎧は崩れない。
シャーロットはガードしながら沙織の力を推し測るとカウンターのパンチを沙織のボディに打ち返していった。
ドス、
沙織は顔をガードしていたが、予想外にもボディにパンチが来て驚いているが、腹筋を入れて凌いでいる。
シャーロット:ワタシノパンチをボディで耐えるトハ流石はチャンピオンデスネ。
シャーロットはそうは言いながらも余裕を見せると沙織の顔面にパンチを打っていった。
強烈なパンチをガードして防ぐ沙織だが、ガードの上からでも威力のあるシャーロットのパンチに押されていつの間にかロープ際に追い込まれている。
するとシャーロットは空いたボディに膝蹴りを叩き込んでいった。
ボシュュュ~~、
沙織:ぐえええぇぇ~~~、
シャーロットの膝が沙織のボディを貫くと沙織は目を見開いてマウスピースを吐き出すと膝から崩れ落ちた。
シャーロット:アララ、まさか喧嘩売っておいてモウ終わりナンテ事ハナイデショウネ。
上から見下すシャーロット。
沙織は悔しさと激痛から涙目になっているが、シャーロットに言われた通り、ここで負ける訳にはいかないと意地で立ち上がった。
シャーロット:ワタシに"挑戦"シタ事、後悔シテル?実力が違いスギルワ。
沙織:ハア、ハア、うるさいわね。女王は私よ。
『ファイト』
試合が再開されるとシャーロットが距離を詰めると沙織の顔面にパンチを打っていった。
バキィ、
パンチ一発でふらつく沙織。
シャーロット:さっきまでの威勢はドコニ行ったノカシラ?やっぱりジャパンのチャンピオンは大した事ナイワネ。
シャーロットに馬鹿にされた沙織は劣勢を強いられているが、怒りのあまり殴り返していった。
バシィ、
沙織のパンチがシャーロットの頬を捉えるとシャーロットは口唇を切っているが、それだけだった。
シャーロットは油断して反撃を喰らった事に怒りを覚えたのか沙織の顔にパンチを打っていった。
バキィィ、
破壊力抜群のパンチが沙織を襲うが、沙織も女王として簡単には譲れないとシャーロットとの殴り合いに臨んでいく。
バシィ、バキィィ、バキッ、バキィィ、
真正面からの打ち合いになると沙織も奮闘しているが、パワーの差が如実に現れて沙織は鼻血を吹き出して流血している。
シャーロットは手数もパワーも沙織を圧倒している。
女優の命とも言うべき顔を殴られ続けた沙織は顔面を崩壊させながら意識を朦朧とさせている。
バキィィ、
シャーロットが狙いを定めて豪快にアッパーカットを振り抜くと沙織は白目を剥いて倒れ込んだ。
『カーンカーンカーン』
ガッツポーズを決めるシャーロットの足下で沙織は失神して倒れている。
『勝者:シャーロットブレアー』
この試合でも衝撃的な強さを見せつけたシャーロットは心地良さそうに観客の歓声を浴びている。
一方の沙織はプライドは見せたものの失神して時折体をプルプルと震わせている。
シャーロット:ワタシに挑んだ事はホメテアゲルワ。ジャパンの皆さん、ワタシに喧嘩を売れば、コウナルワヨ。
シャーロットは担架で運ばれる沙織を指差しながらそう言うと盛り上がる場内に満足そうにしながら控室へと引き揚げた。