第4回チーム別対抗戦『女VS男』(蒼野楓VS黒服E)
- 2022/01/08
- 15:00
2勝2敗の五分で迎えた第5試合に女チームは蒼野楓が登場する。
女チームは地下リングでは香理奈に次ぐ勝理数を誇る楓の起用で抜け出したいところ。
楓としてもタッグパートナーであり、ライバルの香理奈が今大会で男相手に2勝を上げており、自分も期する試合になりそうだ。
ルールは素手でのKー1ルール。所謂"アルティメットKー1ルール"で空手をバックボーンに持ち、キックボクシングも習っている楓には有利なルールになりそうだ。
『赤コーナー 185cm85kg 黒服E~』
黒服は黒のパンツを履いて出てきた。
男が素手で殴れるという事で先程に引き続き危険な匂いがする試合になりそうだ。
『青コーナー 169cm 82-58-86 蒼野楓~』
楓は青のパンツに青のネイルで登場してきた。
既に地下リングでも男相手に勝利した実績を持つ楓は肉体的にも充実しており、自信に溢れている。
楓:もっと男に勝って実績を上げるからあんたには踏み台になってもらうわ。
楓がそう言い放つとゴングが鳴った。
『カーン』
ファイティングポーズをとって構える楓と黒服。
楓は試合前の発言通り前に出るとパンチやキックを連打していく。
バシィ、バキッ、バシッ、
威力のある打撃を次々と繰り出して攻撃的なスタイルで楓は黒服を押し込んでいく。
大男の黒服を相手に序盤からパワーで試合を支配する楓に場内は盛り上がっている。
楓:男なんか大した事ないわね。こんなもんなの?
楓が煽るとじっとガードを固めて沈黙を守っていた黒服が動き出した。
黒服:男を舐めるなよ。
黒服はそう言うと楓の顔面に右ストレートを打っていった。
バキィ、
楓:おうぅぅ、
楓はガードが間に合わず、顔を殴られてふらついている。
黒服は楓の攻撃から逃れると逆に楓の顔面にもう1発パンチを打っていった。
バキィ、
強烈なパンチを連続で顔面に喰らった楓は鼻血を吹き出している。
楓は応戦しようと黒服の顔にパンチを打っていくが、黒服にガードされて阻まれてしまった。
すると黒服は楓の顔にパンチを打ち返してきた。
バキッ、
黒服に顔を殴られて楓はいつの間にかロープ際に追い込まれている。
楓も打撃を返していくが、手数も威力も黒服が上回っており、劣勢に立たされている。
鼻血を酷くさせて目の周りを青紫色にさせられていく楓。
女子相手では自慢の打撃力で圧倒する楓だが、筋肉隆々の男にはボコボコに殴られている。
防戦一方になりながらも何とか凌いでいた楓だが、遂に耐えきれず、倒れてしまった。
ダウンを奪われた楓。
黒服:これが男の力だ。
黒服は楓を上から見下ろしている。
楓は打ち負けた事に悔しそうな表情をしながらも何とか立ち上がってきた。
楓:ハア、ハア、男もやるじゃない。ここから本気出すわよ。
楓は息が上がりながらも強気な姿勢は崩さない。
『ファイト』
レフリーが試合を再開させると黒服は一気に勝負を決めようと前に出てきた。
楓は既に顔に強烈なパンチを喰らっていて苦しい状況だが、しっかりと前を見据えると打撃を繰り出して迎え撃つとオープンな打ち合いになった。
バシィ、バシッ、バキィ、バキッ、
観客としては第4試合がフラッシュバックする展開となったが、それは楓も同じのようで、力が入っていく。
楓:(香理奈さんはここから逆転したんだから私もやらないと、、)
楓は思いを一層強くするとペースを上げていく。
しかし、黒服も2試合連続で打ち合いで男が女に負ける訳にはいかないと重たいパンチを楓の顔に浴びせていく。
楓は顔を殴られて痣だらけにしながら戦っているが、楓の打撃も確実に黒服の体にヒットしており、時折苦しそうな表情をしている。
ロングヘアーを振り乱しながら戦う楓に黒服は空いたボディにパンチを打ち込んでいった。
ドス、
腹筋を入れて耐えようとする楓だが、それでもダメージはあるようで一瞬動きが止まっている。
黒服は楓の両肩を掴むと膝蹴りを股間に打ち込んでいった。
ガァン、
股間攻撃に観客からはブーイングが飛んでいる。顔を歪める楓だが、闘志に火が着いた。
楓:ハア、ハア、股間攻撃上等よ。
楓はそう言うと黒服の肩を掴み返すと股間に膝蹴りを打ち返していった。
ボシュ、
黒服:おうっ、
黒服は体を跳ね上がらせて痛がっていると楓は狙いを定めると今度は足の甲で黒服の股間を蹴り上げていった。
ドス、
黒服:ぬおおぉぉ、
楓:女の私に男が股間攻撃で勝てると思うんじゃないわよ。
金的攻撃に悶絶する黒服。
レフリーは思わず試合を一旦止めると反則によるインターバルをとった。
レフリー:楓、反則だぞ。
楓:男だったら止めるのね。
レフリーが注意を与えるが、楓は毅然と言い返している。
『ファイト』
試合が再開されると楓は獰猛な女豹と化して襲いかかると金的攻撃を喰らって男の自尊心を傷つけられた黒服もプライドを賭けて攻勢に出てきた。
バキィ、バキッ、バキィ、バシッ、
重戦車の黒服がパンチを中心に組み立てているのに対して、楓はキックボクシングで培った華麗な足技と空手仕込みの拳で攻めている。
打ち合っていくと男女差からか打撃を顔や体に受けると楓の方が苦しそうな表情をしている。
黒服:いくら強くても所詮は女、体の作りが脆いな。
楓:くっ、攻撃力でカバーするわ。
黒服が嘲るが、楓は宣言通り打撃の威力が増すと黒服を押し込んでいく。
黒服:なに?なんだこのパワーは?
楓:(リミッターを外してフルパワーで戦ってるから長い時間は持たないわ。ここで決めるわよ。)
楓はそう言うと右脚を高々と振り上げるとかかと落としを黒服の頭に打っていった。
ガァン、
空手とキックボクシングの合わせ技とでも言うべき楓のかかと落としを喰らった黒服はふらついている。
楓は今しかないと狙いを定めるとハイキックを打っていった。
バキィ、
楓のハイキックがクリーンヒットすると黒服は目を虚ろにさせてふらついているが、まだ倒れない。
楓:私のハイキックをまともに喰らってダウンしないなんて男はタフだわ。
楓は意を決するとパワーを溜めてから気勢を上げてハイキックを連打していく。
楓:ハアアアァァァ~~~
バキィ、バキィ、バキィィ、
楓が左右の長い美脚を乱舞させてハイキックを連発すると黒服は体勢を崩しかけている。
楓:(もう少しで倒せるわ、今が勝負どころよ。)
楓は既にパワーを出し切っているが、更にギアを上げていく。
楓:ハア、ハア、ハア、(攻めてるのにキツいわ。)
バキィ、バシィ、バキィィ、
楓も攻めていながらもスタミナを消耗させているが、攻撃を受け続けている黒服も頭部にダメージを負っていて苦境に立たされている。
楓:ハアアアァァ~~、
バキィィィ、
楓の渾身のハイキックが黒服の側頭部を撃ち抜くと黒服は力無く倒れ込んだ。
『カーンカーンカーン』
黒服が白目を剥いて失神して倒れるとカウントを数えるまでもなくゴングが鳴らされた。
『勝者:蒼野楓』
男を張り倒しての勝利に観客は楓に熱狂的な声援を送っている。
楓も観客の声援に応えようとガッツポーズをして見せるが、すぐにふらついてロープにもたれかかってしまった。
楓:ハア、ハア、(男を倒すのはこんなに大変なのね。香理奈さんは2人も倒すなんて、、私もまだまだだわ。)
限界突破して屈強な男相手に勝利を掴んだ楓はもう一度体に力を込めるとポージングをとって強さを観客にアピールしてからリングを去った。
楓の勝利で女チームは3勝2敗と先に王手をかける事に成功した。