1回戦の第2試合は納見佳代&吉岡美保のミホカヨタッグと田仲雅美&大須賀小百合の北海道アスリートタッグの好カードとなった。
リングに入る4人はいづれも名の知れた実力者なだけに白熱した試合展開が期待される。
『赤コーナー 164cm 納見佳代~&169cm 吉岡美保~』
ミホカヨタッグはイエローのビキニで出てきた。
息もぴったりのミホカヨタッグは強敵相手にも自信があるようで、表情からは余裕が伺える。
『青コーナー 165cm 田仲雅美~&163cm 大須賀小百合~』
身体能力抜群の北海道アスリートタッグは北海道をイメージしたホワイトのビキニで登場してきた。
両コーナーで話し合いの結果、佳代と雅美が先発となったようだ。
『カーン』
ゴングが鳴ると様子を見ながらリングの中を回る佳代と雅美。
佳代はタックルを仕掛けるが、雅美は反応して上から押さえ込んだ。
女子プロレスラーのタックルを裁いて、雅美は流石はトップアスリートの能力を見せた。
雅美は佳代のボディに拳を当てていくと佳代は表情を歪めているが、下から抵抗するとすぐに脱出に成功した。
しかし、雅美は佳代のバックをとるとバックドロップの体勢に入った。
踏ん張れずにそのまま投げられると佳代は後頭部をリングに打ち付けられた。
バターン、
自陣コーナーの前に投げられた佳代は雅美の身体能力に驚いている。
雅美は仁王立ちしてシックスパックに割れた腹筋を見せつけると美保に出てくるように指で挑発している。
美保はタッチを交わして出てくるとラリアットを放つが、雅美は身を屈めて避けるとその体勢のままタックルで美保を倒していった。
馬乗りになる雅美。
雅美:私達、優勝したいからあまり1回戦で体力を消耗したくないの。"素人"のあんたの方がやり易そうだから出てきてくれて嬉しいわ。
美保:私が"素人"ですって?舐められたものね。
雅美は美保の顔面に張り手を打っていくと美保は頬を紅潮させているが、下から雅美のボディを両脚で挟むと体の上から退けて見事なグランドテクニックに見せた。
立ち上がろうとする雅美だが、美保はグランドの状態で掴まえると雅美の首に腕を巻き付けてスリーパーをかけていく。
雅美:んあ、、
苦しそうな表情を浮かべる雅美。
美保は締め上げていくが、雅美は近くにあったロープを掴んだ。
『ロープ』
ロープブレイクで一旦技を解いた美保は雅美を掴まえ直そうとするが、雅美は振り向きざまに回し蹴りを浴びせるとその間に小百合とタッチした。
リングに入った小百合。
美保は体勢を立て直すと小百合に組み付いていった。
取っ組み合いになる美保と小百合。
美保は積極的に揺さぶりをかけていくが、小百合が下半身の強さを見せると美保を大外刈りで倒していった。
リングに叩きつけられる美保。
小百合は美保を上から押さえ付けると鍛え上げられた極上の両脚で美保の頭を挟んでレッグスリーパーをかけていった。
藻操く美保だが、逃れられない。
小百合:私は雅美みたいに甘く無いわよ。絶対に逃さないわ。
美保:あっ、あぁ、ぁぁ、
か細い声になって目が虚ろになる美保。
万力のように締まる小百合のレッグスリーパー。
脱け出せない美保はパニックになって両脚をジタバタさせているが、ここで佳代がカットに入って何とか難を逃れた。
美保:ハアァ、ハアァ、ハアァ、
解放された美保だが、完全に息が上がっている。
雅美はカットに入った佳代を場外に落とすと場外戦となった。
分断されるミホカヨタッグ。リングの中は青息吐息の美保が四つん這いになっている。
小百合は美保をバックから掴まえるとバックドロップで投げていった。
バターン、
ぐったりと倒れる美保。
小百合:やっぱり"素人"はやり易いわ。
小百合はそう言うと、踏みつけてフォールに入った。
佳代は場外で雅美にブロックされていてカットに入れない。
『ワン、ツー、スリ、、』
しかし、ギリギリのところで意地を見せた美保はカウント2で返した。
小百合:チッ、しぶといわね。
小百合は美保の髪の毛を掴んで起き上がらせると自陣コーナーに運んだ。
場外戦から戻った雅美は小百合とタッチするとスタンディングでフロントネックロックで掴まえながらリング中央まで運んだ。
再び首を締められる美保はグロッキーな状態に追い込まれていく。
元トップスイマーの鍛え上げられた上体から繰り出される雅美のフロントネックロックは強力で、美保を心身共に削っている。
美保は汗をびっしょりとかいている。
雅美は十分に弱らせたと見て、一旦離すとブレーンバスターの体勢に入った。
しかし、美保は踏ん張ると雅美のボディにパンチを打ち込んでいった。
バシッ、
雅美:おうっ、
踞る雅美。美保はようやく自陣コーナーに戻ると佳代とタッチした。
佳代は走っていくとラリアットで雅美を倒していった。
バシィ、
仰向けに倒れる雅美。
佳代は雅美の喉元にギロチンドロップを落としていった。
バシッ、
雅美:ぐえぇ、
雅美は表情を歪めて嗚咽を漏らしている。
勢いに乗った佳代は雅美の髪の毛を掴んで、起き上がらせるとバックドロップで投げていった。
バターン、
フォールに入る佳代。
『ワン、ツー、』
カウント2で返す雅美。
佳代は雅美を起き上がらせるとロープに振って、返ってきたところを迎撃しようとするが、雅美はショルダーアタックで倒していった。
佳代のプロレステクニックに苦しんでいた雅美だが、ここはパワーを見せた。
小百合は雅美とタッチしてリングに入ると既に立ち上がった佳代と向かい合った。
小百合は鋭いタックルを仕掛けていくと佳代は掴まえて踏ん張ろうとするが、小百合のタックルが勝って倒されてしまった。
小百合は先程と同じようにレッグスリーパーをかけようとするが、レスリングテクニックに長ける佳代は逆に小百合の左腕を掴まえると腕ひしぎをかけていった。
佳代は小百合の左腕を伸ばしていくと小百合は苦悶の表情を浮かべているが、ロープに手をかけた。
『ロープ』
左腕を抱えて痛がる小百合。
佳代は先に立ち上がると小百合を自陣コーナーに運ぶと美保に羽交い締めにさせた。
佳代は身動きがとれない小百合にドロップキックを浴びせていった。
バシッ、
バストの辺りに命中すると小百合は崩れ落ちた。
佳代は美保とタッチした。
美保としては先程、馬鹿にされ、絞め落とされかけているだけに気合いが入っている。
美保は出てくると小百合の髪の毛を掴んで起き上がらせると顔に張り手を打ち込んでいく。
バシッ、
頬を赤くさせる小百合だが、叩かれて目が覚めたのか美保の顔面を張り返していく。
バシッ、
互いに闘志を剥き出しにする小百合と美保は張り手で顔を叩き合っていく。
バシ、バシッ、バシッ、バシ、
互角に顔を叩き合うと両者共にふらついている。張り手合戦に決着が着かないまま組み合うと相撲のようにがっぷり四つに組み合う美保と小百合。
美保の方がサイズではやや上回るが、元アスリートの小百合はパワーがあり、リング中央で動かない。
消耗した2人は互いにブレーンバスターの体勢に入って投げ合おうとすると観客は2頭の女豹の死力を尽くした戦いに立ち上がって歓声を送っている。
リフトアップしたのは美保の方で、小百合の体が宙に浮くと場内は盛り上がっている。
バターン、
美保はリングに叩きつけると小百合は仰向けに倒れている。
雅美は形勢を見てカットに入ろうとするが、佳代にブロックされてしまった。
美保:ハア、ハア、私の勝ちみたいね。
小百合:ハア、ハア、誰があんたなんかに、
美保:その鼻っ柱をへし折ってやるわ。
美保は小百合を起き上がらせるとバックをとってジャーマンスープレックスの体勢に入った。
踏ん張ろうとする小百合だが、美保は綺麗な弧を描いてジャーマンスープレックスで投げていった。
そのままフォールに入る美保。
『ワン、ツー、スリー!!、カーンカーンカーン』
美保は見事なジャーマンスープレックスホールドを決めて見せるとようやく熱戦に終止符が打たれた。
『勝者:納見佳代&吉岡美保』
激戦の末に勝利した美保は汗をびっしょりとかいて四つん這いになっていると佳代は美保を抱き抱えて称えている。
ミホカヨタッグが互いに労っているのに対して、敗れた雅美と小百合には不穏な空気が漂っている。