西軍が2勝1敗1分と1つ勝ち越して、アルティメットバトルトロフィーは後半戦に入る。
まだ登場してない選手は東軍が市河由衣、澤尻エリカ、久末郁実、西軍が山先真実、杉元有美、田中麗菜と豪華なメンバーが控えている。
第5試合に起用されたのは東軍が久末郁実、西軍が杉元有美とフィジカルに定評がある2人が起用された。
『赤コーナー 165cm 83-59-86 久末郁実~』
『青コーナー 168cm 84-58-85 杉元有美~』
両者は自慢の肉体を披露して登場してきた。
長年グラビア界で主役を張ってきた有美としては最近流行りのモグラ女子というジャンルは相容れないようだ。
有美:私は競争が激しいグラビア界でずっとトップだったの。何だかよく分からないジャンルの若い娘に私が負ける訳無いわ。
郁実:杉元さんの年でグラビアは辛いでしょ。それにこれからはグラビアじゃなくてスタイルも良いモグラの時代よ。
実績のある有美にも真っ向から反論する郁実。
『カーン』
ゴングが鳴ると有美は生意気な小娘をパワーで捩じ伏せようと力比べを誘ってきた。
勿論、郁実は誘いに乗ると両者は力比べになっていった。
檻の中央で押し合う有美と郁実。
両者は手と手を握り合って押し合うもパワーが拮抗していて中々決着が着かない。
肉体自慢の両者としてはただの序盤の力比べではなく、プライドがかかっている。
早くも体に汗を滲ませる有美と郁実。
場内も白熱したパワーのぶつかり合いに盛り上がると有美は先輩の意地を見せて郁実を押し込んでいった。
鉄格子に背中を押し付けられた郁実も押し込んだ有美も息を切らしている。
有美:ハア、ハア、ハア、ハア、私の勝ちよ。
有美は郁実のボディに膝蹴りを打とうとするが、郁実は有美がステップバックした瞬間に力を込めて押し込んでいくと有美はバランスを崩して倒れた。
郁実:ハア、ハア、ハア、ハア、勝手に勝ったと思うんじゃないわよ。
郁実はそう言うと馬乗りになろうとするが、有美も下から抱き着くと体を密着させて防いでいる。
鉄板の上で裸で縺れ合う郁実と有美。
グランドでの主導権の奪い合いになると郁実が腕を有美の首に巻き付けると上から覆い被さるようにしてスリーパーをかけていく。
郁実は有美の体力を奪うと髪の毛を掴んで起き上がらせた。
郁実はブレーンバスターの体勢に入ると投げようとするが、有美も踏ん張るとブレーンバスターで投げ返そうとしている。
檻の中央でブレーンバスターの投げ合いになる郁実と有美。
鉄板の上で投げられたら大ダメージ必至なだけに体が一瞬でも浮くと悲壮な表情になって踏ん張っている。
ブレーンバスターの投げ合いを制したのは郁実の方で、有美をリフトアップした。
有美は必死になって両脚をバタバタさせて逃れようとしているが、郁実は滞空時間を保つと勢いよく叩きつけていった。
バァーーン、
有美:んあああぁぁぁ~~、
有美が背中から鉄板に叩きつけられると衝撃音が鳴って悲鳴をあげている。
グッタリと倒れる有美。
郁実は観客にパワーを見せつけると仰向けに倒れる有美から悠々とマウントポジションを奪った。
郁実は有美の顔面にハンマーパンチを振り落としていく。
バキィ、バキ、バキィ、
鈍い音が場内に鳴り響くと有美は鼻血を吹き出しているが、下から郁実の手を掴むとパンチを防ぐ事には成功した。
防戦一方の有美。
郁実は有美を振り払おうとするが、バランスを崩すと有美は下から郁実の右腕を掴んで腕ひしぎをかけていく。
有美は逆転を狙って郁実の右腕を伸ばしにかかるが、完全には伸びきらず、郁実は左手でロックして防いだ。
ヒヤリとした郁実。
有美はこれ以上はもう攻められないと判断して、素早く立ち上がった。
郁実も立ち上がると腕ひしぎをかけられた右腕を気にしている。
しばらく向かい合って睨み合う有美と郁実。
有美がダメージが大きく、攻めて来ないからと郁実は有美に組み付いていくが、どっしりと構えていた有美は受け止めた。
相撲の様に組み合う郁実と有美。
郁実は再三揺さぶりをかけていくが、有美は捌くと大外刈り1発で倒した。
バァーン、
鉄板に背中を叩きつけられる郁実。
有美はそのままサイドポジションを奪うとボディにハンマーパンチを打ち込んでいく。
ドス、ボシュ、
郁実:んあっ、
郁実の自慢のボディだが、腹筋も入れられずに殴られて呻き声をあげている。
有美はポジションを上げてマウントポジションを奪おうとするが、郁実も下からブロックして防いでいる。
すると有美は先に立ち上がると郁実の髪の毛を掴んで起き上がらせて素早くブレーンバスターの体勢に入った。
踏ん張ろうとする郁実だが、有美のスピードに対応出来ず、リフトアップされてしまった。
バァーーン、
郁実:あああぁぁぁ~~、
有美がブレーンバスターで郁実を背中から鉄板に叩きつけると郁実は悲鳴をあげている。
檻の中でのブレーンバスターの投げ合いに盛り上がる場内。
実績のある有美が徐々にペースを掴み始めている。
有美は郁実の髪の毛を掴んで起き上がらせると今度はパワーボムの体勢に入った。
鉄板の上での大技に場内は響いている。
しかし、郁実もここは踏ん張ると逆に投げ返して有美はあえなく鉄板に叩きつけられた。
バン、
仰向けに倒れる有美。
郁実もブレーンバスターで投げられたダメージが大きいからと、一旦膝を着いて休んでいる。
しばらくすると有美が立ち上がってくると郁実も立ってスタンディングで向かい合っている。
郁実が組み付いていくと有美も受け止めて取っ組み合いになっていく。
互いに相手を倒そうとする有美と郁実。
有美は再び大外刈りを狙っていくが、その前に郁実が有美を鉄格子に押し込んでいった。
ガン、
有美:うっ、
鉄格子に背中を叩きつけられて声を漏らす有美。
郁実は有美の力が少し抜けたのを感じると抱き抱えて担ぎ上げた。
持ち上げられて動揺する有美。
すると郁実は有美を持ち上げたまま鉄格子に押し込んでいった。
バァーン
有美:うわぁぁ~~~、
激痛に悲鳴をあげる有美。
郁実が有美の体を離すと有美は鉄板の上に力無く倒れた。
郁実は有美を起き上がらせるとコブラツイストをかけていった。
有美に自慢の肉体を密着させてコブラツイストをかける郁実。
郁実:私の体、しっかりと味わいなさい。
有美:ぐっ、こんな技、
有美は弾き飛ばしたいところだが、疲労困憊の今の状態では郁実に掴まったまま逃れられず、体を震わせている。
郁実:どうしたの?返してみなさいよ。
有美を挑発する郁実。
有美は必死に耐えるが、汗を滴り落として悶えている。
有美:ああぁぁ、もうダメ~~、
郁実:やっぱりダメじゃない、そのまま落ちなさい。
有美:チクショーー、、、
有美は悲痛な声を叫び終わると体をぐったりとさせて口から泡を吹き出して失神してしまった。
『カーンカーンカーン』
有美が失神したのをレフリーは確認するとゴングを要請した。
郁実が有美を解放すると有美は弱々しく倒れた。
『勝者:久末郁実』
実績のある有美の敗戦に驚く場内。
有美を捩じ伏せての勝利に郁実は手応えを掴んだようで、今後の地下リングでの戦いも期待出来そうだ。
有美は意識が戻ったところで、手錠を嵌められて檻へと運ばれるが、相当悔しそうな表情をしている。
郁実の勝利で5試合を終えて2勝2敗1分となった。