歴代の優勝者のみが集う第13回Kー1ビューティーマックスはエキシビジョンマッチを3試合挟んでいよいよ決勝戦を迎えた。
朝日奈彩は前回大会で優勝しているだけに香理奈以来の連覇を目指すが、対戦相手はその香理奈で、彩の連覇を阻止しようと気合いが入っている。
直前情報では両者共に体に痣等は残るもののエキシビジョンマッチが3試合あったので、体力的にはほぼ回復していると伝えられている。
『赤コーナー 171cm 80-58-83 朝日奈彩~』
彩は白のグローブに白のパンツを履いて出てきた。
香理奈が相手だが、エースの座を奪い取ろうと彩は意気込んでいる。
『青コーナー 165cm 80-58-88 香理奈~』
香理奈は青のグローブに青のパンツで登場してきた。
先にリングに入っていた彩を睨み付けた視線の先にはしっかりとKー1ビューティーマックスのトロフィーを見据えている。
『カーン』
ゴングが鳴るとグローブを合わせてから試合を始める彩と香理奈。
スピードのある彩はステップを踏んで動きながら香理奈の様子を伺っているのに対して、香理奈は静かにガードを固めている。
彩はジャブを打っていくが、香理奈は難なくガードして防ぐと彩の動きを見切ったと彩の顔面にパンチを打っていった。
バシッ、
顔にパンチを喰らって後退する彩。
香理奈は追いかけると彩の顔面にもう1発パンチを打っていくが、彩は避けるとカウンターの膝蹴りを香理奈のボディに打っていった。
ドス、
香理奈:あうぅ、
彩の膝が香理奈のボディにめり込むと香理奈は嗚咽を漏らして踞りかけている。
すると彩はパンチを香理奈の顔面に打っていった。
バシ、
ガードして守る香理奈だが、ガードの上からでも威力がある彩のパンチにふらついている。
彩はチャンスと見て攻め込んでいくと香理奈はガードを固めて守っている。
彩は香理奈の顔面にパンチを連打するが、香理奈は何発か貰っているものの有効打は喰らわない。
彩は攻めあぐねて焦ったのか少し前のめりになると香理奈はカウンターのミドルキックを彩のボディに打っていった。
バシッ、
彩:ううっ、
わき腹にヒットすると呻き声をあげて動きが止まると香理奈は彩の攻撃の網から逃れると体勢を立て直している。
彩も体勢を立て直すと両者はリング中央で向かい合っている。
彩はパンチを香理奈の顔面に打っていくが、香理奈はガードして防ぐとハイキックを彩の側頭部に打っていった。
バキィ、
香理奈のハイキックを喰らってふらつく彩。
香理奈は動きが止まった彩にもう1発ハイキックを打っていくが、彩はガードして何とか防ぐもガードの上からでも威力のある香理奈のハイキックにロープ際に押し込まれている。
得意のハイキックで流れを掴む香理奈。
彩はガードを固めて守るが、香理奈は彩の顔面にパンチを連打していく。
必死に守る彩に香理奈は攻めるが、やはりガードを固める彩を崩す事は出来ず、時間が経過している。
『カーン』
ここで1ラウンド終了のゴングが鳴った。
ややふらつきながらも自陣コーナーに戻る彩に対して、香理奈もダメージを気にしてグローブで顔を抑えている。
両者はセコンドから水を貰ったり、タオルで汗を拭いて貰っているが、束の間のインターバルは終わり2ラウンドが始まった。
『カーン』
ファイティングポーズをとる彩と香理奈。
1ラウンド終盤に攻め込まれた彩は体力を少しでも体力を回復させようとしているが、香理奈もそれを分かっていて前に出てきた。
バシッ、
彩:んあっ、
香理奈のパンチを顔面に喰らって彩は口唇を切っている。
顔にダメージが蓄積された彩は頬を紅潮させている。
それでも彩はガードを固めながらカウンターの機会を伺うと香理奈の顔面にパンチを打ち返した。
バシ、
顔を叩かれた香理奈は一瞬動きが鈍ると彩は隙を突いてボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュ、
香理奈:ぐええぇぇ、
ボディにこの試合2発目の膝蹴りをボディに喰らうと苦悶の表情を浮かべてマウスピースを吐き出している。
彩は得意の膝蹴りで再び難を逃れると一旦香理奈から離れて距離をとっている。
香理奈も苦しそうな表情をしているが、ファイティングポーズをとった。
一進一退の攻防に盛り上がる観客。
彩はグローブで口唇からの流血を拭うと距離を詰めると長い脚を振り上げるとハイキックを打っていくが、香理奈はガードして防いでいる。
すると香理奈は彩のボディにミドルキックを打ち返した。
バシィ、
表情を歪める彩。
香理奈は攻勢に出ようとするが、彩はすかさず前蹴りで距離をとった。
『カーン』
ここで2ラウンド終了のゴングが鳴った。
汗を滴らせる香理奈と彩。判定でも際どい勝負になっているが、最終ラウンドをどう戦うのかにも注目が集まる。
彩は香理奈のキック力を脅威に感じているが、香理奈も彩の膝蹴りを警戒している。
『カーン』
香理奈と彩が運命の最終ラウンドに意を決して出てくると大歓声の中、ゴングが鳴った。
両者は共に前に出るといきなり同時に顔面を殴り合った。
バシィ、バキィ、
既に口唇を切っている彩は血飛沫をあげると香理奈も頬を腫らしている。
ヒートアップする彩と香理奈。
彩は香理奈の動きを2回止めている膝蹴りを打っていくが、距離を詰めて香理奈の肩を掴もうとした際に、香理奈は気付くとステップバックして避けると距離をとった。
膝蹴りを見切られて戸惑った様子を見せる彩。
香理奈はミドルキックで彩のボディを叩いていった。
バシッ、
彩:あうぅ、
彩はガードが間に合わずにまともに喰らうと呻き声をあげて体を屈めている。
香理奈はハイキックを打っていくが、彩は何とかガードして防いでいる。
香理奈は続けて彩の顔面にパンチを打っていくが、彩は避けるとカウンターのパンチを香理奈の顔面に打ち返した。
しかし、香理奈はガードして防ぐとハイキックを彩の側頭部に打っていった。
バキィ、
今度はヒットすると彩は目を虚ろにさせてふらついている。
これ以上顔へのダメージは避けたいとガードしようとする彩だが、先に香理奈のパンチが飛んできた。
バキィ、
彩:んん~~、
顔を殴られて泣きそうな表情で声をあげる彩。
香理奈はいつの間にかコーナーを背にする彩の顔面にパンチをの雨を降らせていく。
バキッ、バキッ、バキッ、
彩:あうぅ、(もう、これ以上、顔は、、)
彩は鼻血を吹き出すと白目を剥いてコーナーにもたれ掛かって崩れ落ちた。
失神して起き上がる気配は全くない。
『カーンカーンカーン』
試合終了のゴングが鳴らされると香理奈はガッツポーズをしている。
『勝者:香理奈、よって第13回Kー1ビューティーマックス優勝者は香理奈』
2勝で手にした優勝だが、エースの座を奪おうとする若手女優の挑戦を退けての優勝だけに達成感がありそうだ。
香理奈はトロフィーを掲げるとエースは私だとアピールしている。
対照的に顔を血塗れにさせて担架で運び出される彩。
観客も試合数の少ない大会だったが、白熱した試合に満足しているようで、歓声を送っている。
若手女優が台頭する中、香理奈は堂々とエースの座を守って今大会を終えると同時に2018年の地下リングも幕を降ろした。