北河景子のアルティメットバトルベルトの2度目の防衛戦が行われる。
景子としては最初の防衛戦で熊多曜子相手に苦戦し、辛くも引き分けで防衛を果たした事もあり、今回は勝利して実力を証明したいところ。
その景子に挑戦するのは長身の瀧澤沙織だ。沙織は地下リングでの実績があるだけに景子にとしては難敵となりそうだ。
『赤コーナー 160cm 75-53-81 北河景子~』
景子はベルトを肩にかけて登場してきた。長身の沙織が相手だが、臆する事は無く女王として実力を証明しようと気合いを入れている。
『青コーナー 176㎝ 80-58-84 瀧澤沙織~』
沙織は鍛え上げられた腹筋をアピールしながら出てきた。
沙織の長身に加えて割れた腹筋に景子も警戒を強めている。
檻の中で睨み合う沙織と景子。
挑戦者の沙織は身長差から景子を見下した様子を見せると景子は刺激されて場内は緊張感が増している。
『カーン』
ゴングが鳴るとKー1の様にファイティングポーズをとる景子と沙織。
先ずはガードを固めて様子を伺おうとする景子だが、沙織はいきなりミドルキックを打っていった。
バシ、
ガードして防ぐ景子だが、ガードの上からでも威力があるキックに脅威を感じている。
一方の沙織は防がれたものの攻めれると感じたのか距離を詰めると景子の顔面にパンチを打っていった。
バキ、
沙織のパンチが景子の顔面にヒットするが、景子も沙織の顔面にパンチを打ち返していく。
バキ、
1発ずつ殴り合う沙織と景子。
ヒートアップすると両者は顔面の殴り合いになっていく。
バキッ、バキッ、バシィ、バシィ、
早くも口唇を切る沙織に対して、景子も鼻血を吹き出している。
やはり身長差から真正面から殴り合うと沙織の方が分がある様で、景子は押し込まれている。
バキィィ、
景子:あうぅぅ、
沙織のパンチが景子の顔面にクリーンヒットすると景子は呻き声をあげて踞りかけている。
沙織は景子を崩そうとミドルキックを打っていくが、景子は沙織のキックを受けながらも掴まえると引き倒していった。
バタン、
鉄板の上に倒される沙織。
景子は逆転を狙って掴んだ沙織の右脚をそのまま極めていく。
沙織:あああぁぁぁぁ~~~~、
逃げ場が無い檻の中で脚を極められて悲鳴をあげる沙織。
景子:よくも私の顔を殴ってくれたわね。
景子は顔を殴られた怒りをぶつけると沙織は逃れる事が出来ず、激痛のあまりタップするが、アルティメットバトルにはギブアップは無い。
沙織を弱らせた景子は失神させて試合を決めようと沙織の首に腕を巻きつけてスリーパーをかけていった。
沙織は藻操くが、景子もここで試合を決めようと必死になって締め上げにかかる。
しかし、汗で滑ると景子の腕から沙織の首がすり抜けてしまった。
逃して悔しがる景子。沙織は汗をびっしょりとかいてダメージは大きいものの鉄格子にすがりつきながらも立ち上がった。
景子:逃げたところでもう虫の息じゃない。
景子は沙織に襲いかかるが、沙織は脚を振り上げて景子の顔面に足の裏をヒットさせていった。
バシィ、
沙織のキックに体を仰け反らせる景子。
沙織は一呼吸着いているが、景子は体勢を立て直すと再び向かっていくと沙織も迎え撃って取っ組み合いになっていった。
相手を倒そうと力を込める沙織と景子。
沙織は痛めた右脚が不安定で苦悶の表情を浮かべるが、体格差から景子を組み伏せていった。
バタン、
景子:うっ、
背中を鉄板に叩きつけられて痛がる景子。
沙織は景子の首に腕を押し付けて体重をかけるとギロチンチョークを仕掛けていく。
景子:ぐえぇぇ、
悶絶する景子。
沙織は景子を弱らせるとポジションを上げてマウントポジションを奪っていった。
長身の沙織にマウントポジションを奪われて恐怖の表情を浮かべる景子。
沙織はハンマーパンチを振り落としていった。
バキィ、
ガードして守る景子だが、沙織の上から振り落とすハンマーパンチから顔を守る事は出来ない。沙織は景子が防ぎきれてないからとハンマーパンチを続けて振り落としていく。
バキッ、バキィ、バキィ、
景子:あ、あうぅ~、
鼻血を酷くさせる景子。
沙織は返り血を浴びながらも景子の顔面にハンマーパンチの雨を降らせていく。
グシャャッ、
景子:あうぅぅ、
何かが粉砕されるかの様な音が場内に鳴り響くと景子は顔を抑えてのたうち回っている。
沙織は景子の体をうつ伏せにさせてバックマウントの状態になると景子はガードも出来ない状況に追い込まれていく。
沙織は景子の頭を両手で鷲掴みにすると鉄板に叩きつけていった。
バァァーーン、
景子:ギャアアアァァァーーーー、
額から鉄板に叩きつけられた景子は絶叫している。
景子は額を割って流血しているが、沙織は再び景子の頭を鷲掴みにすると鉄板に叩きつけていった。
バァァーーン、
景子:あああぁぁ、お願いだからもうヤメテーー、
女優の命である顔を壊されそうになって涙を流しながら懇願する景子。
沙織:関係ないわよ、さっさと失神しなさい。
沙織は非情にもそう言うと景子を額から鉄板に叩きつけていった。
バァァーーン、
観客も沙織の残虐な攻撃に恐怖して静まり返っている。
景子は流血を酷くさせて反応も無くなってきているので、檻の外のレフリーも判断に迷っているが、試合は続けられていく。
沙織:観客の皆さまもそろそろ飽きてきたかしら。
沙織は拳を握り締めるとバックマウントから景子の後頭部を殴っていく。
バキィ、バキィ、バキッ、
ガードも出来ない状態で後頭部を殴られて景子は体をビクンビクン震わせて血を流すだけになっている。
『カーンカーンカーン』
ここで危険だと判断したレフリーは試合をストップさせた。
『勝者:瀧澤沙織、よってアルティメットバトルベルト新女王は瀧澤沙織』
第7代アルティメットバトルベルト女王となった沙織は奪ったベルトを腰に巻くと敢えて試合で痛めた右脚で景子を踏みつけてアピールしている。
冷酷な女王誕生に観客も今後のマッチメイクが楽しみになっている。
沙織は景子を踏みつけて屈辱を浴びせると檻から去っていった。
一方の敗れた景子は額からの流血が酷く応急措置を受けると担架で運ばれた。意識が戻ったのは医務室に運ばれてからで、ベルトを失って落胆している。