『最強タッグ・杉元有美&山先真実』
地下リングで盛んに叫ばれて久しいワードに少なからず嫌悪感を示す者がいる。
地下リングの「ミホカヨ」ペアと呼ばれる吉岡美保&納見佳代だ。佳代が元プロレスラーという事で、ベルトには挑戦出来ないが、自分達こそが最強タッグだと自負しており、実力を証明する機会を伺っていた。
『赤コーナー 169cm 85-59-87 吉岡美保~&164cm 85-64-90 納見佳代~』
美保と佳代は白のビキニで登場してきた。
堂々たる登場には流石と言うべきか風格も出ている。
『青コーナー 173cm 90-56-91 左藤江梨子~&163cm 94-61-88 原幹絵~』
「ミホカヨ」ペアと対戦する「キューティーハニー」ペアの江梨子と幹絵は今日はピンクのビキニで出てきた。
豊満なバストを揺らして登場してきた江梨子と幹絵に観客は歓声を上げている。
かつてクイーンベルトとアルティメットバトルトロフィーを巡って抗争を繰り広げた美保と江梨子の関係にも注目が集まるが、両陣営はコーナーで話し合うと先発は美保と幹絵に決まって、両者がリングに出てきた。
『カーン』
ゴングが鳴ると幹絵の様子を探る美保。
一方の幹絵は数々のグラドルの壁になってきたグラドル界のレジェンド・吉岡美保に警戒感を抱いてるのかやや緊張した面持ちで美保と向かい合っている。
美保はすぐに幹絵の固さを見破るとミドルキックをボディに打っていった。
バシッ、
観客には序盤の探りを入れたキックに見えたが、美保は最初からダメージを与えれると踏んで、力を込めて蹴ると幹絵は動きの固さから避けられず、まともに喰らってしまい、踞りかけている。
美保は幹絵を掴まえるとブレーンバスターの体勢に入った。
幹絵は踏ん張れずにリフトアップされるとリングに叩きつけられてしまった。
バターン、
ブレーンバスターで投げられてぐったりとする幹絵。
格の違いを見せつける美保は幹絵の顔面を踏みつけると江梨子の方を向いて「出てこいよ」とアピールしている。
江梨子も美保を睨み返して応じると美保は幹絵を起き上がらせて、コーナーに投げつけた。
コーナーに頭から叩きつけられてぐったりとする幹絵。
しかし、江梨子は幹絵の背中にタッチするとリングに入ってきた。
リング内で睨み合う美保と江梨子。
互いの実力を認め合っているからこそ感じるものもありそうだ。
美保は力比べを挑むと江梨子も応じて手四つの力比べになっていった。
リング中央で押し合う美保と江梨子。
パワーとパワーのぶつかり合いに白熱する場内。
互角の力比べが続くと江梨子は美保の体を引き付けてボディに膝蹴りを打っていった。
ドス、
美保:うっ、
踞りかける美保。
江梨子は美保を掴まえるとブレーンバスターの体勢に入るが、美保それをさせずに押し込んでいくと江梨子の背中をロープに押しつけていった。
縺れ合いながら倒れる美保と江梨子。
グランドの攻防になると美保が江梨子の腕を取ろうとするが、江梨子も腕をロックして防いでいる。
美保は攻めれないからと素早く立ち上がると続いて江梨子も立ち上がった。
再びリング中央で向かい合う両者。
美保が不敵な笑みを浮かべると江梨子は黒髪のロングへアをかき揚げた。
今回は決着を着けずに美保は佳代とタッチした。
佳代は待ちわびた出番がようやく回ってきて勢いよくリングに入ると江梨子にラリアットを浴びせていった。
バターン、
受けた江梨子は大の字に倒れると佳代はギロチンドロップを江梨子の首に振り落としていく。
バシィ、
江梨子:あうぅ、
苦悶の表情を浮かべる江梨子。
佳代は江梨子の髪の毛を掴んで、起き上がらせるとバランスを崩してロープに振ると返ってきたところをタックルで迎撃しようとするが、逆に江梨子はドロップキックを打っていった。
バシィ、
胸元にドロップキックを喰らった佳代が倒れると江梨子は幹絵とタッチした。
先発の役割を果たせなかった幹絵は汚名返上しようと佳代に向かっていくと上から覆い被さってスリーパーをかけていった。
元プロレスラーの佳代だが、幹絵の巨乳にも締められて苦しそうにしている。
幹絵は“巨乳スリーパー”で佳代を締め落としにかかるが、美保がレフリーの制止を振り切って入ってくると幹絵の背中に強烈なキックを打っていった。
バシィ、
幹絵:ううっ、
美保のキックを喰らって背中を捩らせて苦悶の表情を浮かべる幹絵。
美保:この中で、一番格下が生意気ね。今日はあなたに沈んで貰うわ。
美保は一旦コーナーに戻ると佳代とタッチを交わして試合の権利を得てリングに入ってきた。
幹絵もコーナーに戻ろうとするが、江梨子とタッチする前に美保に背後から掴まるとバックドロップで投げられてしまった。
バターン、
ぐったりと倒れる幹絵。
江梨子はレフリーにクレームをつけているが、試合は続けられていく。
美保は幹絵の頭にサッカーボールキックで蹴っていった。
バキッ、
意識を飛ばしかける幹絵。
江梨子はリングに入って助けようとするが、美保は察知して佳代に指示を出すと佳代は江梨子を阻んで、場外に落とした。
リング内は美保と幹絵の2人になった。
美保は動かない幹絵を無理矢理起き上がらせるとパワーボムの体勢に入るが、美保に馬鹿にされた幹絵は股間に拳を打ちつけていった。
ガン、
美保:あんっ、
思わず可愛らしい声をあげてしまう美保。
幹絵は逆転しようと美保の首を抱えてDDTで額から叩きつけていった。
バーン、
試合を決めようと思っていた美保は悔しそうにしている。
江梨子:いいわよ幹絵、そのままひっくり返しちゃいなさい。
場外から檄を飛ばす江梨子。
美保に馬鹿にされた幹絵は先輩の江梨子の激励に応えようと気合を入れると佳代と同じようにスリーパーをかけていった。
幹絵:先輩だからって、私を馬鹿にした事を後悔させてやるわ。
幹絵は“巨乳スリーパー”をかけていくと美保は苦しそうな表情を浮かべている。
美保を締め上げる幹絵。しかし、美保は上手く滑らせて脱け出した。
幹絵は掴まえ直そうとするが、美保は逃れると立ち上がった。
幹絵も立ち上がると組み付いて取っ組み合いになっていく。
美保は幹絵を倒そうとするが、美保は踏ん張ると幹絵を投げていった。
バタン、
仰向けに倒れる幹絵。
美保:調子に乗るんじゃないわよ!
美保はそう言うと走り込んで膝を幹絵の顔面にぶつけていった。
ガァン、
幹絵はぐったりと倒れた。ジャンピングニーで幹絵の流れを切った美保はうつ伏せになった幹絵にキャメルクラッチをかけていった。
幹絵:んあぁぁ、
美保:これが一流の技よ、味わいなさい。
ガッチリと締め上げられる幹絵は藻掻いているが、美保のキャメルクラッチから脱け出せない。
幹絵の体を反り返らせる美保。
幹絵は徐々に追い込まれていく。
場外の江梨子は幹絵を救出しようとリングに入ろうとするが、佳代に阻まれて入れない。
美保は幹絵の体を反り返らせて仰向けにひっくり返すと胴締めスリーパーに移行していった。
口をパクパクさせて苦悶の表情を浮かべる幹絵。
レフリー:美保、チョークはダメだ。
しかし、レフリーが美保にチョークスリーパーだと指摘すると美保はあっさり離した。
美保:このまま締めた方が楽になるのにね。
体に汗を滲ませながらも余裕を見せる美保。
幹絵は立ち上がると美保と向かい合うが、すぐに膝に手を着いてかなり体力を消耗させている。
美保は幹絵をすぐに掴まえると幹絵は抵抗するが、美保は容易く幹絵を抑え込むとコブラツイストをかけていった。
幹絵:ああぁぁ、
泣きそうな表情で声を漏らす幹絵。
美保は自らの体を幹絵に密着させてじっくりと締め上げていく。
美保:今日はもう寝なさい。私は江梨子と話があるの。
美保はそう言うと力を込めて幹絵を落とした。
『カーンカーンカーン』
試合終了のゴングが鳴ると力無く倒れる幹絵。
そして場外から佳代が美保を祝福しに入ってきた。
『勝者:吉岡美保&納見佳代』
先ずは勝利を祝う美保と佳代だが、短い言葉を交わすと佳代はリングを去っていった。
幹絵も担架で運ばれるとリング内では美保と江梨子の2人になった。
江梨子:私に用があるって言ってたけど、何かしら。
美保:最近、グラビアの後輩に生意気なのがいるわ。私が倒そうと思ったんだけど、タッグだから1人だとダメみたい。私と組まない?
江梨子:奇遇ね、私も丁度同じ事を考えていたわ。まさか私達が組む事になるなんてね。
両者はそう言うと固い握手を交わした。
その瞬間、観客は杉元有美&山先真実を倒す最強タッグの誕生かと盛り上がっている。
今後、タッグ戦線も熱くなりそうな予感がする。