第12回K-1ビューティーマックス決勝戦(朝日奈彩VS松下奈央)
- 2018/10/13
- 22:42
長い長いエキシビジョンマッチが終わり、Kー1ビューティーマックスの決勝戦が行われる。
朝日奈彩と松下奈央は2試合分程の時間行われたエキシビジョンマッチのおかげでリフレッシュして決勝戦に臨む事となる。
会場には凄惨な戦いが演じられた鉄格子の檻は去り、再びKー1のリングが登場している。
『赤コーナー 171cm 朝日奈彩~』
彩は赤のグローブに黒のパンツを履いて登場してきた。
優勝候補として出場した彩は前評判通りの強さで決勝に進出すると後1つ勝てば、得られる優勝トロフィーが視界に入っている。
『青コーナー 174cm 松下奈央~』
奈央は青のグローブに白のパンツで出てきた。
リザーブマッチから登場の奈央は一気に優勝しようと目論んでいる。
リングの中で向かい合う彩と奈央。
『カーン』
どちらが勝っても初優勝となる決勝戦のゴングが鳴った。
彩はステップを踏みながら動いて攻撃の機会を伺うが、奈央はしっかりガードを固めて静かに彩の様子を見ている。
スピードで翻弄したい彩だが、奈央は彩のスピードある動きにも動じない。
奈央は彩の動きを読むとミドルキックを打っていくが、彩はガードして防いだ。
彩の意外と固いディフェンスに奈央は驚いている。
しかし、彩も奈央の威力のあるキックに警戒を強めている。
彩は一旦離れようとと前蹴りで奈央と間合いをとると奈央も静かに引き下がった。
決勝戦の独特の雰囲気に少し落ち着こうとする両者。
間合いをとると少し膠着状態が続くが、彩が均衡を破ろうとハイキックを打っていった。
しかし、冷静に避けた奈央はカウンターのパンチを彩の顔面にヒットさせた。
バキッ、
彩:あうっ、
上手さを見せる奈央。
彩は奈央のパンチを顔面に喰らって声をあげている。
奈央は距離を詰めてミドルキックを打っていった。
バシッ、
今度はヒットすると表情を歪める彩。
奈央は脚の角度を上げてハイキックで彩の側頭部を狙っていくが、彩はガードが間に合うと何とか防いでいる。
奈央のパワフルなファイトに盛り上がる場内。
彩は奈央が前に出てくるので、ガードを固めているが、後退を余儀無くされてコーナーを背にしている。
奈央は彩をコーナーに押し込むと彩の顔面にパンチを打っていくが、彩のガードの網に引っ掛かって決まらない。
奈央の攻撃を防いだ彩はカウンターの膝蹴りで奈央のボディを突き上げていった。
ドス、
奈央:うぐぅ、
一瞬動きが止まる奈央。
彩はその間にコーナーから脱出した。
チャンスを逃した奈央だが、体勢を立て直すとファイティングポーズをとった。
リング中央で向かい合う彩と奈央。
彩はミドルキックを打っていくが、奈央はステップバックして避けている。
彩は攻撃がヒットせずに苛立っている。
奈央は静かにガードを固めて攻撃の機会を探っているが、ここで1ラウンド終了のゴングが鳴った。
『カーン』
自陣コーナーに戻る奈央と彩。
奈央としてはダウンは奪えなかったものの攻撃をヒットさせて充実した表情をしている。
対照的に彩は上手くいかず、表情にも出ている。
『カーン』
インターバルが終わると両者がリングに戻ってきてゴングが鳴らされた。
奈央は1ラウンドよりも余裕がある表情をしている。
彩は少し焦りがあるのか動きに落ち着きがない。
奈央は彩が落ち着く前に勝負を賭けたいと前に出ると顔面にパンチを打っていった。
バシ、
彩はガードしてるにもかかわらず、反応がやや遅れて顔を殴られると表情を歪めている。
奈央はハイキックで彩の側頭部を狙っていくが、彩はこれは避けると奈央が体勢が崩れたところを狙ってアッパー気味のパンチを奈央の顎に打っていった。
バキィ、
奈央:あうぅぅ、
呻き声をあげて動きが止まる奈央。
彩は抱え込むと膝蹴りで奈央のボディを突き上げていった。
ボシュ、
奈央:うげぇぇ~~、
立て続けに彩の強打を受けて苦しそうな表情に変わる奈央。
逆に彩は自信を取り戻してきたのかファイティングポーズにも力が入っている。
奈央は流れを取り戻そうと彩の顔面にパンチを打っていくが、彩は見えているようで、易々と避けると逆にカウンターのパンチを奈央の顔面にヒットさせた。
バキッ、
顔を殴られてふらつく奈央。
完全にペースを掴んだ彩は狙いを定めて奈央の側頭部にハイキックを打っていった。
バキィ、
奈央はまともにハイキックを頭に喰らうと倒れ込んだ。
ダウンを奪ってガッツポーズをする彩。
奈央は四つん這いになって何とか起き上がろうとするが、意識が朦朧として中々立ち上がれない。
コーナーから奈央の様子をじっと見つめる彩。
しかし、優勝を目指す奈央は執念を見せて立ち上がるとファイティングポーズをとった。
彩は気を取り直してKOを狙って前に向かうが、奈央が立ち上がったところで2ラウンド終了のゴングが鳴った。
『カーン』
ゴングに救われた奈央は自信コーナーに倒れるように座り込んだ。
一方の彩は最終ラウンドで勝負を決めようと気合いを入れている。
『カーン』
束の間のインターバルが終わると賜杯の行方を決する最終ラウンドが始まった。
ゴングが鳴ると彩は早速前に出て距離を詰めてきた。
奈央も読んでいてガードを固めて待ち構えている。
彩はパンチを奈央の顔面に打っていくが、奈央はガードして守っている。
彩はガードされたものの押し込んで、手応えがあったので、更に攻勢を強めてもう一発パンチを打っていった。
バキィ、
奈央はダメージが大きいのか反応が遅れると顔面にパンチを喰らって鼻血を流している。
彩が前に出ると奈央は気圧されて後退を余儀無くされるとコーナーに追い込まれている。
彩は奈央の逃げ場を無くすとパンチを顔面に連打していく。
奈央はガードを固めてカウンターを狙う苦しい展開を強いられている。
バシ、バシ、
ガードを固めて守る奈央だが、彩のパンチを全ては防ぎきれず、何発かはパンチを顔に貰っている。
奈央はこのままでは状況を打開出来ないからと意を決してパンチを彩の顔面に打ち返していった。
彩は奈央の突然の反撃に驚くが、闇雲に放たれた奈央のパンチは外れると逆にガードが空いたところを彩のパンチが奈央の顔面を捉えた。
バキィ、
奈央:ぐえぇぇ、
奈央は顔にクリーンヒットを許すとマウスピースを吐き出してグロッキーな状態になっている。
彩は動きが止まった奈央のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュュ~~、
奈央:あぁ、あっ、あぁ、
学生時代に陸上競技で鍛え上げた彩の膝蹴りが奈央のボディを抉ると奈央は苦悶の表情を浮かべて倒れ込んだ。
ダウンを奪った彩は手応えがあったのか早くもガッツポーズをしている。
奈央は必死に立ち上がろうとするが、お腹を抑えたまま動けない。
『カーンカーンカーン』
10カウントが数えられるとゴングが鳴った。
『勝者:朝日奈彩、よって第12回Kー1ビューティーマックス優勝は朝日奈彩』
歓喜の初優勝を果たした彩は観客の声援に手を振って応えると主催者から優勝トロフィーを受け取った。
彩が高々と優勝トロフィーを掲げると場内は彩を讃えて歓声に包まれている。
一方の敗れた奈央は彩がトロフィーを掲げた瞬間、悔しそうな表情を浮かべるが、立ち上がると静かに去っていった。
大歓声を浴びる彩とは対照的な様子の奈央だが、リザーブマッチから大会を盛り上げたとあって静かに去る姿を見つけた観客は奈央にも声をかけている。
こうして第12回Kー1ビューティーマックスは朝日奈彩の優勝で幕を降ろした。初優勝を果たした彩に地下リング初勝利から躍進を遂げた松下奈央が目立った大会となった一方で、エキシビジョンマッチでも橋元マナミとグラドル勢の対立が鮮明になって今後を盛り上げそうだ。