日本の女優陣が挑んでも挑んでも奪えない黒船・ジゼルブンチャンが持つ総合格闘技ベルト。
ジゼルは既に3度の防衛に成功しており、地下リングのベルトは4度の防衛を達成すると殿堂入りとなるため、次が日本の女優陣にとってはラストチャンスとなる。
そして最後の砦となるのが、日本の女帝・藤原紀華だ。
紀華は日本の地下リングの威信を賭けるべくトレーナー・小佐内あやのトレーニングに取り組み、決戦に備えてきた。
今日はアルティメットバトルベルトのエキシビジョンマッチとしてジゼルブンチャンの総合格闘技ベルト奪取に向けた練習試合が組まれた。
ルールはメインイベントと同様にアルティメットバトルルールで行われる。
『赤コーナー 171cm 88-60-89 藤原紀華~』
会場の中央に設置された檻に全裸で向かう紀華。
46歳にして見事なプロポーションに観客は思わず立ち上がっている。
セコンドにはトレーナーのあやが入る様で、紀華に気合いを入れている。
『青コーナー 173cm 85-60-83 青樹愛~』
元トップアスリートで地下リングでも実績がある愛が出てきた。
紀華のVSジゼルを想定して愛が選ばれた様で、紀華にとっては試練のマッチメイクとなった。
筋肉質なボディの迫力ある登場に歓声が上がっている。
檻に入った両者。
あやは試合が始まる前に紀華にアドバイスを送ると檻から出た。
檻の中は紀華と愛の2人だけになった。
『カーン』
ゴングが鳴ると両者はファイティングポーズをとって向かい合っている。
肉体美を誇る紀華とはいえ相手の愛が上回るボディを持っているため、慎重な立ち上がりになっている。
一方の愛も紀華があやをトレーナーを迎えて鍛えてきたとの情報は入っており、様子を見ている。
愛はキックボクシングを習っている事からミドルキックで紀華のボディにキックを打っていくが、紀華はステップバックして避けている。
紀華は愛の打撃のレンジが広いからと逆に距離を詰めようとしている。
愛は接近戦でも自信があると臨んでいくと両者の距離が一気に詰まって打撃戦になっていく。
バシィ、バシッ、バキィ、
激しく殴り合う紀華と愛。
大型選手同士の豪快な殴り合いに盛り上がる場内。
すると愛はタイミングを見計らって紀華のボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュ、
紀華:んん、
鍛え上げられた腹筋を持つ紀華だが、愛の破壊力のある膝蹴りに呻き声をあげている。
愛は動きが止まった紀華の顔面にパンチを打っていくと紀華はふらついている。
愛は紀華を掴まえるとスープレックスで叩きつけていった。
バターン、
鉄板に背中から叩きつけられる紀華。
愛はマウントポジションを奪おうとするが、紀華は下から脚でブロックして許さない。
襲いかかる愛だが、紀華もマウントポジションを奪われれば、大ダメージを受けるからと懸命のディフェンスを続けている。
業を煮やした愛は一旦離れると紀華が立ち上がるのを待ってスタンディングから勝負しようと考えている。
慎重に立ち上がる紀華。有利なポジションを手放す愛だが、自信がある様で、紀華が立ち上がるのを離れて待っている。
紀華が立ち上がるとファイティングポーズをとって向かい合う両者。
愛は打撃で押せると考えて前に出ると紀華の顔面にパンチを打っていった。
バキィ、
ガードが間に合わずにパンチを喰らう紀華。
元トップアスリートの素手でのパンチを顔面に受けた紀華は鼻血を吹き出している。
女優陣屈指の肉体美を誇る紀華が更に体を鍛えても劣勢に立たされていて、観客も固唾を飲んでみまもっている。
強さを見せつける愛は余裕の表情を見せていて、ハイキックを打っていった。
しかし、紀華は寸前のところでハイキックを避けるとやや体勢を崩した愛をタックルで倒していった。
マウントポジションを奪う紀華。
いきなりの形勢逆転に盛り上がる場内。
愛は「しまった」という表情を見せるが、紀華はポジションを固めるとハンマーパンチを愛の顔面に浴びせていく。
バキ、バキィ、
流石の愛も紀華にマウントポジションを奪われると容易には脱け出せない様で、パンチを何発か受けている。
上から紀華も鼻血を滴り落としているが、紀華がハンマーパンチを振り落とすと愛も鼻血を吹き出している。
苦しくなる愛。
グシャ、
愛:んん~~、
紀華のハンマーパンチが愛の顔面にめり込む様にクリーンヒットすると愛は思わず呻き声をあげている。
紀華が愛を追い込んでいくと観客は歓声をあげている。
力強くなった紀華ならばジゼルを倒せるかもしれないと期待する場内。
しかし、愛は下から紀華のボディに脚を巻き付けると体の上から紀華を退けて何とか逃れた。
呼吸が荒い愛はすぐに立ち上がれない。
すると紀華は再び愛に襲いかかると今度は後ろからスリーパーをかけていった。
失神させようと勝負を賭ける紀華。
愛も必死に逃れようとするが、ロープブレイクが無いアルティメットバトルでは逃げ場が無く意識が遠退いている。
愛は46歳の女優に元トップアスリートの自分が失神させられて負けるのは屈辱的だと藻操いている。
紀華は力を込めていくが、逆に隙間が出来ると愛は手を滑り込ませた。
愛:ハア、ハア、ハア、
ようやく息を着く愛。
紀華は仕留めきれず、悔しそうな表情をしている。
愛は逃れると紀華を振り切って立ち上がった。
向かい合う両者。
紀華は愛を睨み付けているが、愛は汗をびっしょりとかいている。
紀華はファイティングポーズをとると先に仕掛けてきた。
バキィ、
紀華は愛の顔面にパンチを打つと喰らった愛は瞼を腫らしている。
素手でのパンチが顔面にクリーンヒットしてダメージを受ける愛。
紀華は続けて右ストレートを愛の顔面に打っていくが、愛は紀華のパンチを受け止めると逆に右ストレートを紀華の顔面に打っていった。
バキィ、
愛の強打を受けて口唇を切って血飛沫を飛ばす紀華。
愛はふらつく紀華をヘッドロックで掴まえるとボディに膝蹴りを打ち込んでいった。
ドス、
紀華:うげぇぇ、
目を見開いて声をあげる紀華。
愛はそのまま紀華をがっちりと掴まえるとブレーンバスターで背中から鉄板に叩きつけていった。
バターーン、
トップアスリートの底力を見せつける愛。
紀華はぐったりとして動けない。
愛は自信を取り戻したのか、畳み掛けるチャンスにもかかわらず、腕組みをして待っている。
愛:立ちなさいよ、まだ出来るでしょ。それともあんたの鍛えたっていうのはその程度なの?
紀華を上から見下して挑発する愛。
紀華は怒りの形相で立ち上がると愛と向かい合った。
紀華:やってやるわよ、私を馬鹿にしてタダで帰れると思ってんの?
紀華はそう言うと愛の顔面に殴りかかっていくが、愛は避けると紀華の顔面にパンチを浴びせていく。
バキィ、
紀華は鼻血を酷くさせているが、愛の顔面にパンチを打ってきた。
バキィ、
パンチを打ち返せると思っていなかった愛は紀華のパンチを顔面に喰らうと目を虚ろにさせてふらついている。
紀華は続けてパンチを連打していくと懸命にガードして守る愛だが、顔に痣を作っている。
紀華は愛を鉄格子まで押し込んでいく。
愛は紀華に圧されて背中を鉄格子に押し付けられている。
紀華:何か言ってみなさいよ、このままボコボコにしてやるわ。
勢いに乗る紀華。
ボシュュ、
紀華:うげぇぇ、
しかし、愛は耐えるとカウンターの膝蹴りを用意していた。
愛の膝が紀華のボディを抉ると紀華は悶絶して呻き声をあげている。
愛は紀華の両肩を抱え込むと勢いをつけてもう一発膝蹴りを打ち込んでいった。
ボシュュュュ、
紀華:あぁっ、あぁぁ~~、
崩れ落ちそうになる紀華だが、踞った姿勢で堪えている。
愛:ハアハア、ハアハア、やっぱり大した事無いじゃない。
息を切らしながらも紀華を煽る愛。
紀華は言い返す事が出来ない。
紀華を力ずくで黙らせた愛は紀華の髪の毛を掴んで、リング中央まで運ぶとパワーボムの体勢に入った。
サイズのある紀華だが、愛は自慢のパワーを活かして易々とリフトアップすると鉄板の上に背中から叩きつけていった。
バァァーーーン、
叩きつけられた紀華はぐったりとして動けない。
愛は紀華が立ち上がるのを待って打撃を打とうとするが、紀華に立ち上がる気配が無い。
愛:ねえ、もう失神しちゃってるんじゃない?
愛が檻の外にいるレフリーに問いかけると一向に反応がない紀華に慌てたのかレフリーは紀華を確認するとゴングを要請した。
『カーンカーンカーン』
ダメージを負いながらもさっきまで果敢に愛に挑んでいた紀華がいきなり失神させられた事はレフリーも予想出来なかった様で、愛のパワーを見せつけられる結果となった。
『勝者:青樹愛』
愛はやや苦戦する場面もあったものの、地下リングの女帝・紀華を退けて貫禄を見せている。
一方の紀華は意地は見せたが、愛のパワーの前に捩じ伏せられてしまった。
しかし、ジゼル戦に向けては地下リング最強とも言われる愛と対戦して成果と課題を見つける事が出来た。
観客もアルティメットバトルならではの“エロい”展開は見れなかったものの鍛え上げられた肉体同士がぶつかり合う豪快なファイトが見れて満足した様で、立ち上がって歓声を送っている。
紀華があやに付き添われて担架で檻から運び出されると愛も紀華を見送ってから控室へと戻っていった。