第3回クイーンカップの決勝トーナメントが行われる。
出場者は激戦を勝ち抜いた4人で、山先真実、北河景子、米蔵涼子、杉元有美だ。
対戦カードは以下の様に決まった。
第1試合米蔵涼子VS北河景子
第2試合山先真実VS杉元有美
第3試合エキジビションマッチ
第4試合決勝戦
となった。
グループリーグ3戦全勝の米蔵涼子は優先的に第1試合に、また決勝戦は良いコンディションで臨める様に第3試合にエキジビションマッチが1試合組まれた。
第1試合
準決勝1試合目が始まる。
既に対戦する両者はリングの上に立っている。
『赤コーナー 168cm 84-58-85 米蔵涼子~』
涼子は黒のビキニでガッツポーズをしながら歓声に応えている。
『青コーナー 160cm 75-53-81 北河景子~』
景子は白のビキニでコーナーに肘をかけて涼子をじっと睨みつけている。
2日目のタッグマッチでは涼子が景子をスリーパーで締め落として勝利しているだけに涼子は景子を見下している。
『カーン』
レスリングスタイルで向かい合う涼子と景子。
真剣な目つきの景子に対して涼子はやや笑みを浮かべている。
景子:何笑ってんのよ。
涼子:あんたがもう一回私に負けに来たと思うと楽しくて仕方ないわ。
景子:舐めんじゃないわよ、今度は私が絶対勝つわ。
景子は意を決すると涼子に低いタックルを浴びせていった。
しかし、これは涼子も読んでいたようで、景子を捕まえると押さえ込んでいく。
涼子:考えが甘いのよ。
涼子は景子の脇腹にパンチを撃ち込んでいく。
ボシュ、ボシュ、
景子:ううぅぅ、
拳でのパンチに呻く景子だが、レフリーは涼子の拳を注意して一旦試合を中断させる。
逃れた景子だが、序盤からのダメージに呼吸が荒くなっている。
『ファイト』
試合が再開されると涼子は素早く仕掛けていくが、景子も対応している。
涼子が無理矢理組み付いていくと景子も負けじと組み合っていく。
取っ組み合いになる両者。
体格に勝る涼子だが、強引過ぎた様で足元を掬われて倒されてしまった。
今度は景子が馬乗りになると仕返しとばかりに涼子の顔面に拳を振り落としていく。
バキ、バキィ、
これは反則と注意するレフリー。
レフリー:景子、反則だ。
景子は渋々涼子から離れると涼子は鼻血を吹き出している。
再びスタンディングから始める様に指示するレフリー。
涼子:よくもやってくれたわね、もう手加減しないわよ。
『ファイト』
激怒する涼子だが、景子も涼子を睨みつけていて一歩も退かない。
パァーン、
すると涼子は強力な張り手を景子の頬に打っていくと景子も涼子の頬に張り手を打ち返していった。
パァーン、
破裂音が響く場内。
涼子と景子は意地の張り手合戦になっていく。
バシィ、バシィ、バシィ、バシィ、
互いに強烈な張り手を打ち合って頬を紅潮させる景子と涼子。両者共に相当痛いはずだが、弱みは見せずに相手の頬を叩きあっていく。
バシィ、バシィ、
徐々に景子の動きが鈍くなりだした。
すると涼子は張り手を連発していく。
バシィ、バシィ、
目を虚ろにさせながら倒れる景子。
涼子は勝ち誇った表情になると倒れた景子にスリーパーをかけていく。
苦悶の表情を浮かべる景子。
涼子は一気に胴締めスリーパーへと移行していった。
前回、景子を締め落とした胴締めスリーパーに悪夢が蘇る景子だが、必死にロープに手を伸ばすと手が届いた。
ロープブレイクをレフリーが指示するとゆっくりと離す涼子。
景子:ハアハアハア、
呼吸が荒くなる景子。
涼子は景子の髪の毛を掴んで起き上がらせるとDDTで景子の頭を叩き付けていった。
ガン、
頭を抱える景子。
涼子はフォールに入る。
『ワン、ツー、ス、』
ギリギリで返す景子。
涼子はもう一度景子を起き上がらせるとパワーボムの体勢に入る。
勝負を決めにかかる涼子だが、景子はバランスを崩して何とか逃れた。
一旦離れる両者。
鼻血が酷くなってきた涼子は早目に試合を決めたいと前に出て来るが、景子はエルボーで涼子の顔面を打っていった。
バキ、
涼子:あう、
顔を抑える涼子。
景子はロープに走って反動をつけるとドロップキックで涼子を倒した。
仰向けに倒れる涼子。
景子は涼子の体をうつ伏せにさせるとキャメルクラッチをかけていった。
鼻血が出てくる涼子の鼻の穴に指を突っ込む景子。
景子:醜い顔ね、涼子さん。
尚も涼子を挑発する景子。
涼子は鼻血塗れの顔を晒されて屈辱に塗れている。
涼子:あ~、くそっ、
涼子は下からバランスを崩して逃れるもすぐに景子が起き上がると涼子の顔面に膝蹴りを打ってきた。
バキ、
ふらつく涼子。
景子は涼子を捕まえるとブレーンバスターの体勢に入るが、涼子も踏ん張っている。
体格差もあって中々持ち上げられない景子。
もたついている間に涼子はパワーを溜めるとブレーンバスターで投げ返していった。
バターン、
涼子は起き上がると景子の右脚を掴むと極めていく。
足を伸ばされて悶絶する景子。
涼子:随分生意気な口利くのね。覚悟しなさい、黙らせてあげるわ。
景子:あぁーー、
悲鳴を上げる景子に景子の足の裏を舐めながら次の攻め手を探る涼子。
涼子が景子を解放しても景子は右脚が痛くて動けない。
涼子は景子を起き上がらせるとコブラツイストをかけていく。
景子:んあ、
ガッチリとコブラツイストを極められて思わず呻き声を上げる景子。
涼子:ホラ、この体勢でも同じように生意気な口利いてみなよ。
景子:あぁぁ、
涼子の挑発にも情けない声を上げる景子。
涼子は力を込めて締め上げると景子は耐え切れずにタップしてしまった。
『カーンカーンカーン』
解放されるとグッタリとして倒れる景子。
『勝者:米蔵涼子』
涼子はコールを受けると力尽きて倒れた景子の顔面を踏みつけて力を誇示している。
決勝進出を決めた涼子は全勝優勝へ向けて弾みをつけた。